【046】 ○ 原 彰宏 『Q&A 確定拠出年金ハンドブック (2005/05 セルバ出版) ★★★★

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加入後のサポートも大事。企業の担当者レベルでも一定の知識を備えておく必要が。

Q&A 確定拠出年金ハンドブック~1.JPG確定拠出年金ハンドブック .jpg 『Q&A 確定拠出年金ハンドブック』 (2005/05 セルバ出版)

 ファイナンシャル・プランナーによって書かれた本書は、基本的には確定拠出年金(日本版401k)の加入者のための入門指南書で、制度加入後の資産運用に際しての経済環境の見方や運用方法などについてとりわけ詳しく書かれています。

 ただし、確定拠出年金の導入背景やその概要、退職一時金・税制適格年金、厚生年金基金等との違いや制度移行に際しての留意点などについても詳しく、且つわかりやすく纏められており、また「個人型」と同じ比重で「企業型」についても説明されているので、企業の人事・労務担当者など、導入を検討したり導入後の教育を企画・実施する側の人にとっても、基礎知識を身につけ、チェックポイントを整理する上での手引書として使えるのではないかと思いました。

 140項目余りからから成るQ&A方式で、一般読者サイドに立っている上に図表が多く使用されているため理解やすい内容ですが、それによって情報量が少なくなるということはなく、やや詰め込み過ぎ(?)のきらいもあるくらいギュッと詰まった内容で、一般書としてこれぐらいのレベルのものが入手できるのは有り難いことです。

 確定拠出年金を企業として導入する場合は、制度加入時の金融商品選択などの教育も重要ですが、運用教育はその時に限られるものではなく、運用中の加入者へのサポートも大事です。
 金融機関やファイナンシャル・プランナーアウトソーシングするしても、企業の担当者レベルでも、日常寄せられる社員からの基本的な質問には答えられるようにしておきたいものだと思います。

【2011年改訂版】

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