【1609】 ○ 前川 孝雄 『上司力100本ノック―部下を育てる虎の巻』 (2009/06 幻冬舎) ★★★☆

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部下対応を二択クイズ形式で。事例と対処法が具体的なので、結構面白く読めた。

上司力100本ノック1.JPG上司力100本ノック.jpg上司力100本ノック~部下を育てる虎の巻』 (2009/06 幻冬舎)

 日常の仕事における部下の様々な問題に対し、上司としてどう対応すべきかを、全編二者択一のクイズ形式で問い、その答えと、どうしてそうなるのかを解説したもので、気軽の読めて、また、結構面白かったです。

 「指示待ちの部下」とか「報告しない部下」や、「態度がとげとげしい年上の部下」「孤立している部下」にどう対処するべきか、モチベーションを下げないで、且つ態度を改めさせるには、どういった形で声掛けすればいいいのかといったことが、具体例を基に答えと共に解説されていて、比較的答えの解り易いものあれば、結構判断の難しいものもあります。その辺りを難易度によって、「アマ級」「プロ注目」「プロ級」と分類しているのも、読みす進むうえでの指針となるかと思います。

 但し、頭で解っていても実際にやるのはそう容易でないものもあるように思われ、また、上司のタイプやこれまでの部下との接し方によって、合っているもの、会っていないものも一部あるように思われました。

 また、状況説明が比較的シンプルなので、ちょっとした周辺状況の違いによって、適当と思われる答えが違ってくるものもあるように思われ、その辺りは解説部分でも"条件付き"で解説されているものがあります。

 ただ答えを鵜呑みにして読み進むのではなく、そうしたことを自分でも考えながら読むといいのではないでしょうか。

 著者は、リクルートで「リクナビ」「就職ジャーナル」「ケイコとマナブ」などの編集長を歴任し、今は人材活性化コンサルタントであるとのことですが、『勉強会に1万円払うなら、上司と3回飲みなさい』('10年/光文社新書) などの著書もあります。

 そちらは読んでいませんが(Amazonのレビュアーの評価が意外と低かった)、『労政時報』などの人事専門誌にも寄稿していて、例えば『労政時報』の'10年4月23日号に「上司必読 メンバーシップ-組織に貢献する部下の心得」という20ページ以上に及ぶ特集記事を書いています。それを読むと、自らの経験から理論構築していてることが窺え、そのため実践的である印象を受けました。

 本書についても同じことが言え、読者によって相性は違ってくるかも知れませんが、自分にとってはまあまあといったところでしょうか(冒頭に述べた通り、面白く読めたのは事実)。

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