「●TVドラマ①50年代・60年代制作ドラマ」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【3150】 実相寺 昭雄 「ウルトラマン(第23話)/故郷は地球」
「●藤田 進 出演作品」の インデックッスへ 「○日本映画 【制作年順】」の インデックッスへ 「●日本のTVドラマ (~80年代)」の インデックッスへ(「ウルトラマン」)
強烈な印象を残したバルタン星人の初登場回。移民問題を想起させるような内容。
「ULTRAMAN ARCHIVES『ウルトラマン』Episode 2「侵略者を撃て」Blu-ray&DVD」」 宇宙忍者バルタン星人
東京上空に強力な電波を発する飛行物体が出現するが、御殿山の科学センター付近で突如信号が途絶える。科学特捜隊のアラシ隊員(石井伊吉)が現場へ急行すると、そこで発見したのは何かの力によって全く動かなくなった科学センターの職員たちであった。そしてアラシ隊員も、待ち伏せていたバルタン星人が放つ光線によって仮死状態にさせられてしまう。対話を試みた科学特捜隊は、バルタン星人らが宇宙旅行中に母星を失い宇宙船の修理のために立ち寄ったという事実を聞かされる。そして彼らは地球が自分たちの住み良い惑星だと確認し、総移住を強行しようとする。その人口の数なんと"20億3000万"―。
「ウルトラマン」の第2話で、'66年7月24日放映(制作№は1)。監督は飯島敏宏、脚本は千束北男(飯島敏宏の脚本家としてのペンネーム)。セミに似た顔とザリガニのような大きいハサミ状の両手を持ち、高度な知能を備えた直立二足歩行の異星人―バルタン星人が強烈な印象を残した初登場回。
バルタン星人が地球を訪れた当初の目的は侵略ではなく、故障した宇宙船の修理のためだったようで、自分たちの故郷であるバルタン星が発狂した科学者の行った核実験で壊滅したため、たまたま宇宙船で旅行中だった20億3,000万人のバルタン星人が故郷を失って難民となり、身体をバクテリア大にまで縮小して放浪の旅を続けて、やがて発見した地球で宇宙船を修理しようと飛来し、現地を気に入ったということのようです。
因みに、バルタン星人の名前の由来は、「母星が兵器開発競争によって滅んだため、移住先を求めて地球にやってきた」という設定を、ヨーロッパの火薬庫といわれて紛争の絶えなかったバルカン半島に重ねているとされているそうです(地球人が地球の地名から名付けたということか)。
このバルタン星人の来訪はまさに移民問題を想起させるような内容になっていて、「地球に移住することにした」と宣言するバルタン星人に対しハヤタ隊員は「人類の民俗や風習に馴染み、法律を守るなら良いだろう」と答えます。勝手に承諾してしまっていいのかなというのはありますが、ハヤタ隊員=ウルトラマン=神ですからいいのでしょう(笑)。
しかし、結局バルタン星人は力で人類を制圧しようとしウルトラマンによって撃退されてしまいます。しかしながら、視聴者に残した印象が強烈だったのか、「ウルトラマン(第16話)/科特隊宇宙へ」で二代目バルタン星人が登場、ウルトラマンによって壊滅的な被害を受けたが何とか生き延びた一部のバルタン星人たちが、太陽系に存在すると言われているR惑星に漂着し、地球侵略との機会を窺っていたという設定でした。さらに、「ウルトラマン(第33話)/禁じられた言葉へ」で三代目バルタン星人が登場、その後も数多くのウルトラシリーズに登場しています。
「ウルトラマン(第2話)/侵略者を撃て」●制作年:1966年●監督:飯島敏宏●脚本:千束北男(飯島敏宏)●特殊技術:的場徹●音楽:宮内国郎●時間:30分●出演:小林昭二/黒部進/石井伊吉(毒蝮三太夫)/二瓶正也/桜井浩子/津沢彰秀/(ゲスト出演)藤田進/飯田覚三/幸田宗丸/緒方燐作/(スーツアクター)古谷敏/佐藤武志/(ナレーター)石坂浩二●放送局:TBS●放送日:1966/07/24(評価:★★★☆)●放送局:TBS(評価:★★★☆)
藤田進(防衛隊幕僚長)
「ウルトラマン」●演出:円谷一ほか●監修:円谷英二●制作:円谷特技プロダクション●脚本:金城哲夫ほか●音楽:宮内国郎●出演:小林昭二/黒部進/石井伊吉(毒蝮三太夫)/二瓶正也/桜井浩子/平田昭彦/津沢彰秀●放映:1966/07~1967/04(全39回)●放送局:TBS