【2302】 ○ 山本 ケイイチ 『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (2008/05 幻冬舎新書) ★★★☆

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タイトルは胡散臭いが、"トレーニングのための実践的な知識"を含んだ啓発本としてはまとも。

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仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか (幻冬舎新書)

 刊行時、このジャンルの本としては珍しく10万部以上を売り上げベストセラーとなったもので、新書で購入しやすいというのもあったかと思いますが、タイトルも効いているのかなあ。自分のように却って胡散臭さを感じて手にするのが遅くなったり結局読むのを避けたりした人もいたのではないかと思いますが...。

 読んでみたら、第1章「筋肉はビジネススキル」とかあって、やっぱりなあという感じも。第2章は「目的は『続けること』」とあり、ずっとこのまま"自己啓発"調でいくのかと思ったら、第3章以降は意外と、「トレーニングの原理原則」「トレーニングの常識・非常識」「トレーニングがうまくいく人、いかない人」...と続いて結構"実践的"な解説になっていて、最終第9章で「筋トレで学ぶ成功法則」とまた"自己啓発"調に戻って締め括るものの、全体としては概ねオーソドックスでした。

 どちらかというと具体的なトレーニング方法よりもトレーニングそのものに対する考え方について述べられていて、トレーニングの手法にまで過度に踏み込まず、また、あるメッソドを強硬に押しつけているわけでもないので、自身のトレーニング環境や現状の身体的条件などに関わらず、幅広い読者にとって参考になるのではないでしょうか。

 その分、知識的にはそれほど高度なレベルでもないのですが、個人的には幾つか参考になる部分がありました。読んでいて、自分のやり方で良かった思われた点は、「時間帯によって効果が異なる」(129p)で、本当は寝る1時間前にトレーニングするのがいいのだが、夜6時から8時の間でもいいだろうと書かれていることで、自分の場合これにぴったり当て嵌ります(但し、寝る直前はダメで、むしろ夕方の方がベストだとする説があり(坂詰真二『やってはいけない筋トレ』(青春新書INTELLIGENCE)33p)、こちらの方が有力説なのではないか)。

 一方、ちょっとヤバいと思ったのは、「カロリーオフだったらどんなに飲んでも大丈夫?」(85p)で、スポーツ飲料などでも100ミリリットルあたり15キロカロリーなどと書いてあり、500ミリリットルで75キロカロリー、これを運動で消費するのはたいへんであり、20キロカロリー未満なら「カロリーオフ」の表示が認められているので気をつけようという話で、う~ん、ウェイトトレーニングもさることながら、走ったりした後は結構"アクエリアス"とか飲んでるなあ(因みに"アクエリアス"は100ミリリットルあたり15キロカロリー。但し、"アクエリアスゼロ"はゼロキロカロリー)。

 もうかなり前に出された本ですが、「ピラティスで腹筋は割れるか?」とか(今流行りの"ライザップ"ではないが)「パーソナルトレーナーの費用対効果」などといった項目もあり、結構先のトレンドを読んでいたなあ。

 "トレーニングのための実践的な知識"を含んだ啓発本としてはまともであり、これからトレーニングを始める人がこの著者の本の中で1冊読むとすれば本書ということになるのかも。

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