【2274】 ○ 藤屋 伸二 (監修) 『まんがでわかる ドラッカーのリーダーシップ論 (2014/04 宝島社)《(2019/03 宝島社新書)》  ★★★★

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ストーリーがよく出来ていて、いいタイミングでドラッカーの言葉が出てくる。

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まんがでわかる ドラッカーのリーダーシップ論』『まんがと図解でわかるドラッカーのリーダーシップ論 (別冊宝島) (別冊宝島 1750 スタディー)

 東京での仕事で挫折し、失意のまま退職した赤井満は、いつのまにか生まれ故郷で村おこしのプロジェクトリーダー「特命村長」に任命されていた! 村役場から選ばれたメンバーを率い、彼らの強みを生かした成果が期待される満。彼女を支えたのは、経営学の父・ドラッカーが唱えたリーダーシップの真髄だった―。

まんがでわかる ドラッカーのリーダーシップ論21.JPG 『まんがでわかる7つの習慣』('13年/宝島社)の第2弾ということですが、本書が刊行される以前に「別冊宝島」(ムック)として本書と同じ監修者による『まんがと図解でわかるドラッカーのリーダーシップ論』('11年)が刊行されており(その他に『まんがと図解でわかるドラッカー マネジメント、イノベーションなどが初心者でも簡単に理解できる!』('10年)や『まんがと図解でわかるドラッカー 使えるマネジメント論』('11年)などもある)、やや既知感のようなものもあってそれほど期待せずに読んだら、これが意外と"優れもの"でした。

 『まんがと図解でわかるドラッカーのリーダーシップ論』も好評で文庫化されたりもしていますが、マンガは添え物で図解がメインといった感じでしょうか。テーマ項目ごとにきちんと纏まっていましたが、「項目主義」になってしまっていて、逆に本当の意味での理解に繋がらない面もあるのではないかという気もしました。

まんがでわかる ドラッカーのリーダーシップ論00_.jpg その点本書は、マンガとしてのストーリーがよく出来ていて、いいタイミングでドラッカーの言葉が出てくるため、それがまた相互作用として活きているように思いました。ドラッカーの述べていることの中には時期によってニュアンスが少しずつ違っている部分もあり、その点、複数のドラッカーの著者から引用することで、ドラッカーがあたかも最初からそうしたことを提唱していたように捉えられてしまうのはどうかというのはムック版でもあり、本書でもありましたが、これくらいの入門レベルになると、そこまでこだわることもないでしょうか(むしろ、テンポが大事で、その点は合格点!)。

 こうした本は、普段本よりもマンガを読む人向けという捉えられ方をしがちですが、さらっと読めてドラッガーを身近に感じられるという点では、マンガへの親和度の高い低いに関わらずお薦めです。

まんがでわかる ドラッカーのリーダーシップ論 (宝島社新書)』['19年]

【2019年新書化[宝島社新書]】

《読書MEMO》
●コミュニケーションが成立するには経験の共有が不可欠だ...。組織においてコミュニケーションは手段ではない。組織のあり方である。―P.F.ドラッカー『マネジメント(中)』p157(本書23p)
●あまりに多くのリーダーが、自分のしていることとその理由は、誰にも明らかなはずだと思っている。そのようなことはない。多くのリーダーが自分の言ったことは誰もが理解したと思う。しかし誰も理解していない。―P.F.ドラッカー『非営利組織の経営』p 30(本書24p)
●重要なのはカリスマ性ではない。...リーダーが初めに行うべきは、自らの組織のミッションを考え抜き、定義することである。―P.F.ドラッカー『非営利組織の経営』p2(本書35p)
●人の配置は、あらゆる事業においてきわめて重要な事案である。...人が一人あるいは小さなチームとして、事細かな監督なしに自主的に働くとき、単に働きたいという意欲からより良い仕事をしたいという意欲に左右される。すなわち配置によって左右される。―P.F.ドラッカー『現代の経営(下)』p157(本書54p)
●専門職たる者は、自らの仕事が何であるべきか、優れた仕事とは何であるべきかを自ら決める。何を行うべきか、いかなる基準を適用すべきかについて、誰も彼に代わって決めることは出来ない。彼らは、誰からも監督されない。―P.F.ドラッカー『現代の経営(下)』p201(本書68p)
●専門職は一人で働こうとチームで働こうと、自らの貢献について責任をもつ。―P.F.ドラッカー『現代の経営(下)』p199-201(本書69p)
●上司は部下の仕事に責任をもつ。部下のキャリアを左右する。したがって、強みを生かす人事は、成果をあげるための必要条件であるだけでなく、倫理的な至上命令、権力と地位に伴う責任である。―P.F.ドラッカー『経営者の条件』p126(本書80p)
●人を問題や費用や脅威として見るのではなく、資源として、機会として見ることを学ばなければならない。管理(manage)で. はなくリード(lead)すること、支配(control)ではなく方向づけ. (direct)することを学ばなければならない。―P.F.ドラッカー『マネジメント(上)』p31(本書89p)
●成果をあげるための秘訣を1つだけあげるならば,それは集中である。成果をあげる人は最も重要なことから始め、しかも一度に一つのことしかしない。―P.F.ドラッカー『プロフェッショナルの条件』p138(本書111p)
●リーダーシップが発揮されるのは、真摯さによってである。範となるのも、真摯さによってである。真摯さは、取って付けるわけにはいかない。真摯さはごまかせない。―P.F.ドラッカー『マネジメント(中)』p109(本書127p)
●自らをマネジメントするということは、一つの革命である。...あたかも組織のトップであるかのように考え、行動することが要求される。―P.F.ドラッカー『明日を支配するもの』p231(本書166p)

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