【1646】 ○ 中川 恒彦 『新訂 人事・労務担当者のやさしい労務管理 (2010/12 労働調査会) ★★★★

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実務的観点から、中小企業の実務担当者などにも分かりよく書かれている。千円はお買い得。

新訂 人事・労務担当者のやさしい労務管理7.JPGやさしい労務管理 中川恒彦.jpg新訂 人事・労務担当者のやさしい労務管理』(2010/12 労働調査会)

 企業における労務管理は、以前は、労働基準法のみをチェックしていれば、労務管理における法的問題点は大体のところカバーできたのが、最近は、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、パートタイム労働法、労働者派遣法、高年齢者雇用安定法、労働契約法などもチェックしておかなければならず、更には、個人情報保護法や公益通報者保護法なども絡んできたりして、なかなか大変ですが、それは中小企業においても例外ではありません。

 本書は、労務管理という観点から、そうした中小企業の実務担当者等にも分かり易いように、チェックが必要なそれらの法律について解説するとともに、採用から退職まで労務管理の各ステージごとに法的な留意点を纏めたものです。

 全263ページ。実務に供することを狙いとしているため、官公庁への届出書式やその記載例なども盛り込まれており、巻末にはモデル就業規則も付されています。

 著者自身がまえがきで「これだけの内容を盛り込みながら、これだけのページに収めるのは困難な作業」だったと書いているように、コンパクトながらも密度が濃く、これで千円は良心的、買い得だと思います。

 初版なのに「新訂」とあるのは、10回以上もの改版を重ねた、同じ版元で同じタイトルの『人事・労務担当者のやさしい労務管理』(厚生労働省労働基準局監督課(監修)、労働調査会(編集))を内容的には引き継いでいるためでしょうか。

 本書の著者も、元労働省労働基準局監督課中央労働基準監察監督官(監督官の元締め)であり(但し、退官して10年以上経っている)、人事労務専門誌にも数多く寄稿していて、その知名度・信頼性は抜群。ホントは、この人の講演を聴くと、安西愈弁護士の講演などとはまた違ったベテランの味があって面白いんだけどね。

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