【1228】 ○ アラン・ダイヤー 『Space 宇宙―insiders ビジュアル博物館』 (2008/01 昭文社) ★★★☆

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イラストによるビジュアル教材だが、解説は大人の好奇心をも満たすレベル。

スペース 宇宙.jpg 『スペース 宇宙 (insidersビジュアル博物館)』 (2008/01 昭文社)
(26.8 x 24.6 x 1.2 cm)

 米国 Weldon Owen社による国際的出版プロジェクト"insiders"シリーズの日本語版で、このシリーズ、テーマは歴史、考古学、自然、生物・生命、技術に渡り、世界各国で出版されているそうですが、日本でよく見かけるのは生物や恐竜関係ではないでしょうか。そうした中、本書のテーマは「宇宙」。

 全64ページ、オールカラーの見開きイラストで、「宇宙」と言っても幅広いですが、ビッグバンから始まって太陽系の星々を地質学的な観点から解説し、「宇宙の雪だるま」現象や恒星、星雲、銀河について、さらに宇宙探査についての解説までが前半で、後半に太陽系や恒星と銀河の一般的な解説をもう一度もってきているという変わった構成です。

 最近は日本の図鑑などでも、教科書的な順番でなく、こうしたテーマ主義的な構成のものがありますが、まずテーマと大迫力のイラストで惹きつけて、更に関心がある学習者のために、その知的好奇心を満たすだけの詳細な解説がされているというところでしょうか。
 基本的には青少年向け教材らしいのですが、解説部分には結構"大人の好奇心"を満たす専門的なことが書いてあるように感じました。

 全ページに渡る見開きイラストは確かに迫力はありますが、NASAの専属イラストレーターなどが描いたCGと比較すると、やや"絵"的と言うか、"解説"に比重を置いたものになっている気がし、星雲や惑星のイラストはクラシカルな感じさえするものもあります。
 但し、宇宙探査に関する部分(宇宙探査機、月面基地、国際宇宙ステーションなど)はよく描かれていて、解説も詳細です。

 その他に写真も多く使用されていますが、それらはあくまでも解説の一環としてで、サイズも小さく、やはりメインはイラストによるビジュアル―中でも最も"豪華版"なのは、宇宙飛行士を描いた表紙かな(表紙がレリーフになっている!)。

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