【1162】 ○ 吉田 正敏 『イラストでわかる知らないと損する労働基準法 〈Ver.2〉 (2008/03 東洋経済新報社) ★★★★

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「第○条第○項」といった記述は無く、一般向けにわかり易い言葉で書かれた入門書。

イラストでわかる知らないと損する労働基準法.jpg 『イラストでわかる知らないと損する労働基準法〈Ver.2〉 (イラストでわかる-Illustrated Guide Book Series-)』 (2008/03 東洋経済新報社)

 社会保険労務士による労働基準法の解説書(入門書)で、縦書きで1項目につき見開き2ページ、全77項目。
各項目の左ページをイラストに充てており、解説文の用語も、前書きで予めそのことを断った上で、労働者を「社員」、使用者を「会社」、賃金を「給料」というように言い表すなどしており、初学者にとっては普通の書物を読むような感じで入り込み易く、また、わかり易い内容となっています。

 初版は'01年刊行で、'08年4月刊行(書店売り3月)の本書は"Ⅴer.2"ということですが、パート労働法の法改正('08年4月施行)なども一応は押さえていて、但し、全体としては、労働基準法そのものの基本部分、とりわけ一般の会社員に関わる労働時間や休日・休暇、「給料」などに重点が置かれているようです。

 イラストは所謂「図解」的なものからコマ漫画までバラエティに富んでいて("Ⅴer.2"の表紙のイラストより、実際の中身のイラストは漫画チック、図解部分も「板書」的と言った方がいいか)、これはこれでわかり易いですが、個人的にはむしろ解説文がわかりよいと感じました。

 「労働基準法第○条第○項において」などといった書き方は(意図的に)一切されていないので、「法律」としての労働基準法を学びたいと思っている人には物足りないかもしれませんが、一般の企業に勤める社会人にはこれで充分かも。
 必要に応じて、施行規則や通達レベルのことも書かれているのですが、あくまでも、普通の会社員に対し、普通の言葉で書かれているという感じ。

 専門業務型裁量労働制の適用職種が「18」であるとか(「19」ではないか)、細かい点で突っ込み所はありますが、よくあるテカテカの紙質に横書きでゴチック文字を多用してびっちり文字や図説が盛り込まれた入門書のパターンとは一線を画していて、その点でのオリジナルな工夫は買いたい本です。

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