「●キャリア・カウンセリング」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【185】 金井 壽宏 『会社と個人を元気にするキャリア・カウンセリング』
参考になる部分は確かにあるが、読んでいていろいろと効率が悪いのが難点。
『ライフキャリアカウンセリング―カウンセラーのための理論と技術』(2002/04 生産性出版)"Career Counseling: Process, Issues, and Techniques"(1997)
原題は"Career Counseling: Process, Issues, and Techniques"(1997)。キャリアカウンセリングを"ライフキャリア"という観点(個人の役割・環境・出来事など、人生における重要な要素すべてを考慮して最適な選択を行おうとする考え方)から理論的に整理し、さらにオープニングから、情報収集、理解/仮定、行動化、目標/行動計画、評価/終了までの6段階に構造化して、各段階の実践的アプローチを具体的に解説しています。
クライエントの意思が明らかな場合でも、"ライフキャリア"の観点からは違った結論が導かれるのではないかと思われる場合は、クライエントのパートナーとしてそのことを率直に伝え、クライエントの視野を拡げ、クライエントが自主的に最良の選択をすることを"サポートする"ことを旨としていて、基本的にはオーソドックスなキャリアカウンセリングの考え方に近いと思われます。
ただし理論と技術を総合的にとりあげ、ここまで具体的に詳説した本というのは従来はあまりなく、キャリアカウンセリングに携わる人にとって参考になる部分は確かにあるかと思います。
ただし、本の造りが拙くて、かなり読みにくく感じました。
これでは、参考になる部分があっても、後で読み返すときに探しにくいという気がします。
さらには、性差や民族といった観点からもライフキャリアについて述べていますが、グローバルな(米国的な)観点に立つ分、日本人に対するカウンセリングとウェイトの置き方が異なるため、読んでいて効率が悪い。
こうした欠点もいろいろあり、価格(3,400円)、時間などからみてROI(投資効率)的には今ひとつでした。
《読書MEMO》
●キャリアカウンセリングの構造化...
◆オープニング→◆情報収集→◆理解/仮定→◆行動化→◆目標/行動計画→◆評価/終了までの6段階
●社会的認知学習理論(107p)/自己効力感(108p)
●タイプA行動...他人に対して敵対的でせっかちな態度を取り、時間に追われながら攻撃的・競争的に仕事取り組む傾向(123p)心臓発作を起こしやすい