【082】 ○ 石田 仁 『小さな会社の労務トラブル「円満」解決法 (2005/12 日本実業出版社) ★★★★

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文章も図説もわかりやすい。話し合いによる解決の大切さを示している。

小さな会社の労務トラブル「円満」解決法.jpg 『小さな会社の労務トラブル「円満」解決法』 (2005/12 日本実業出版社)

 勤務時間や休憩をめぐるトラブルから非正社員の雇用や処遇をめぐるトラブルまで、小さな会社でよくありがちな労務トラブル110のケースをあげ、それらの解決に向けて、法解釈だけでなく現実的な対応を示しています。

 平成18年4月改正の高年齢者雇用安定法まで対応していて、「個人情報をタテに健康診断書の提出を拒否された」などといった今日的な問題も扱っています。

 文章も図説もわかりやすく、ケースごとに最後にポイントを1センテンスにまとめていて、巻末に注釈入りのモデル就業規則が付いているのも便利です。

 会社の規模が小さいからと言って、適用法規が変わるわけではないのですが、労使の話し合いによって「円満」に解決できる面が多々あることを示していて、経営者と社員の距離がより近い小さな会社ほどその余地は大きく、またそうした努力や工夫をせずに法規解釈だけを当てはめると、逆に問題が大きくなる可能性もあることを感じました。

《読書MEMO》
●実務上は、土日の休日のいずれか出社した場合は、休んだ方を法定休日にする(72p)
●休日の接待ゴルフは、社の命令であっても勤務時間ではないのが通説(76p)
●休日に半日出勤した場合でも、全1日の振替休日を与えた方が社員に不満を抱かせない(半日振休が認められていない
●パートの年休付与日数は、契約更新後の新しい週所定勤務日数に応じて付与される(230p)

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