【441】 ○ 高杉 良 『青年社長―若き起業家の熱き夢と挑戦 (上・下)』 (1999/02 ダイヤモンド社) ★★★★

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今後ますます注目のワタミ・渡邉美樹社長の創業時代を描く。

青年社長1.jpg 青年社長2.jpg  『青年社長』.jpg 角川文庫(上・下)
青年社長―若き起業家の熱き夢と挑戦〈上〉』『青年社長―若き起業家の熱き夢と挑戦〈下〉』(ダイヤモンド社)

watami.gif '06年に映画化された『燃ゆるとき』は、若々しくて爽快、リーダーシップ溢れる陽性の経営者を主人公にした、著者の'90年代前半の実名型企業小説の代表作で、同タイプの'90年代後半の代表作と言えば、この『青年社長』ではないでしょうか。
 「ワタミ」の渡邉美樹社長の創業時代を中心に描いていますが、「和民」という居酒屋の身近さや、ベンチャーということで、若い人によく読まれているようです。

 本書を読むと、成功するまでに様々な人の助けを得ているのがわかりますが、特に「つぼ八」の石井誠二社長(現在「八百八町」社長)に可愛がられたというのがよくわかり、渡邉氏にとってメンター的存在だったのだなあと。

 「つぼ八」のフランチャイジーとしての直営店舗でスタートし、お好み焼の「唐変木」やお好み焼宅配の「KEI太」が最初は好調だが徐々にうまくいかなくなる、この辺りが詳しく書かれていて、事業撤退というものの判断の難しさが窺えます。
 新タイプの居酒屋「和民」のイメージが掴めず悩んでいるときに、石井社長が「八百八町」を参考にせよとノウハウを伝授、石井氏も太っ腹だなあと。

 佐川急便のSD(セールス・ドライバー)をして事業立上げ資金を稼いだと言う様に、何となく"体育会系"で、旧知の友人を大切にする人情家という印象。
 このあたり、最近のITベンチャーの社長などとは異なるイメージです(どちらかというと、自衛隊出身の折口雅博グッドウィルグループ会長などとイメージがダブります、中身は違うのだろうけれど)。

 NHKの「日本の、これから」という討論番組('05年)で、「人口減少社会」というテーマの際に渡邉社長が出演していました(その前「成果主義」がテーマのときにはライブドアの堀江貴文社長が出ていましたが...)。
 人材、介護などのビジネスに既に参入しており(社名もワタミフードサービスからワタミに変えたし)、今後はビジネスだけでなく社会的発言も併せて注目される人です。

 【2002年文庫化[角川文庫(上・下)]】

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This page contains a single entry by wada published on 2006年9月10日 00:05.

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