〔11〕 役割給「基本モデル」の設計②-その役割に対して支払う賃金の基準額を決める

〔11〕 役割給「基本モデル」の設計②-その役割に対して支払う賃金の基準額を決める


● Step3.新役割給の基本モデルの設定

 Step2の分析結果をもとに、役割等級ごとの役割給の基準額を決定します。

 繰り返しになりますが、役割給の「基本モデル」を設計するということは、その役割に対して会社が支払う賃金の基準額を決めるということです。 
 ですから、ただ単に実在者の分布に沿って決めるのではなく、理論モデル(あるべきモデル)と実在者モデルの相互関係において決定することになります。


●役職についていないベテラン社員の位置づけをどうするか

 この作業を行う際に多くの企業で問題になるのが、役職についていないベテラン社員の現在の給与が相対的に高めで、役職について間もない若年・中堅社員との間で逆転現象が生じているということです。

 管理職層と一般職層(スタッフ職層)という区分において職層間にそれなりの基本給格差があるという一般的な理論モデルを想定していた場合に、このグループをどう位置づけるのかが課題となります。
 このことは単に賃金モデルをつくる上での技術的問題ではなく、人事戦略の一環としての問題ですので、目先の"当て込み易さ"に流されず将来を見据えた検討が必要です。

 このような役職についていないベテラン社員の位置づけとしては、次の3通りがあります。

  ① あくまでもスタッフ職のなかでの上位者であり、スタッフとして遇する
  ② スタッフ職の中でも高い専門性を持ったエキスパート(専門職)として遇する
  ③ マネージャー(管理職)に準じるプロフェッショナル(専任職)
  ④ ライン管理職であるマネージャーと常時入れ替え可能なジョブマネージャーとして遇する

   (専門職や専任職を設ける場合は、それぞれの職群の定義・登用基準が必要となります。)

図4.gif


次項⇒〔12〕 役割給「賃金テーブル」の設計①-範囲給に社員へのメッセージを込める


About this Entry

This page contains a single entry by wada published on 2006年6月11日 01:10.

〔12〕 役割給「賃金テーブル」の設計①-範囲給に社員へのメッセージを込める was the previous entry in this blog.

〔10〕 役割給「基本モデル」の設計①-役割等級へ仮格付けし、仮役割給を分析する is the next entry in this blog.

Find recent content on the main index or look in the archives to find all content.

Categories

Pages

Powered by Movable Type 6.1.1