〔12〕 役割給「賃金テーブル」の設計①-範囲給に社員へのメッセージを込める

〔12〕 役割給「賃金テーブル」の設計①-範囲給に社員へのメッセージを込める


● 単一給と範囲給

55-12-1grf400.gif  役割給の「賃金テーブル」には単一給範囲給の2種類があります。
 
 「単一給」は、等級別に金額が決まっている固定型(シングルレート)の給与です。
 この考え方を採り入れ、昇進のごとに給与をリセットするやり方をしている企業もあります。

 たとえば、2人の社員が係長でいる間は給与に差があったとしても、同時に課長に昇進した場合いったん同じ給与になる、といったやり方です。

 この例からも察せられるように、「単一給」のみでの運用は成り立ちにくく(単一給のみの運用だと係長でいる間も給与差もつかないことになります)、習熟給(職能給)、期待給、業績給といった変動型の賃金項目との併用が一般的です。

 「範囲給」(レンジ給)は、等級別に基準額を中心に上下限の幅を持つ変動型の給与で、管理職、非管理職を問わず導入が可能なうえに、等級が決まれば給与のレンジ(範囲)も決まるので、社員はその範囲の中での給与額を期待することができるという特長があります。

 現制度からの移行および運用のしやすさなどからみると、「範囲給」が一般的な選択になるかと思います。

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● 等級間のレンジ設定によって社員に伝えるメッセージ

 「範囲給」のポイントは、等級間のレンジ(給与の範囲)の設定によって社員にどのようなメッセージを伝えるかということにあります。
 レンジ幅の重なりが小さければ、役割等級が上がらない限り(昇進しない限り)給与はいずれ頭打ちになりますよ、というメッセージになり、レンジ幅の重なりが大きければ、等級が下位であっても業績次第では給与が逆転できますよ、というメッセージになります。


次項⇒〔13〕 役割給「賃金テーブル」の設計②-一般職のレンジ設定は習熟を反映させやすくする


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This page contains a single entry by wada published on 2006年6月11日 01:08.

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〔11〕 役割給「基本モデル」の設計②-その役割に対して支払う賃金の基準額を決める is the next entry in this blog.

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