〔44〕 算定シミュレーションと全体調整①-シミュレーションにより趣旨の反映度をチェックする

〔44〕 算定シミュレーションと全体調整①-シミュレーションにより趣旨の反映度をチェックする

 
● 通常のポイント制の退職金制度と「評価反映型」のポイント制退職金制度のシミュレーション

 制度設計の最終段階でシミュレーションをして、制度改定の趣旨(給付の抑制やS字カーブの直線化など)がどの程度に反映されているかを確認し、必要に応じて全体調整します。

 下左図は、通常のポイント制(併合型)の例です。
 ここでは、当初の設計方針が例えば、
 ア.従来モデルの最終支給額は、新制度における"順調にM1(部長クラス)まで昇進したモデル"の水準とする。(給付抑制)、
 イ.M2(課長クラス)またはM3(係長クラス)までしか昇進しなかった場合のモデルは段階的にそれより低い水準にする、
 ウ.ただし、E1・2(専任職)までしか経験しなくても一定水準はキープする、
というものだったとした場合、その通りになっているかを確認するわけです。

 下右図は、「評価反映型ポイント制」のシミュレーションです。
 役割等級別・評価別にシミュレーションします。
 評価別の考え方は、例えば、ほぼ恒常的に上位評価(平均A)だった場合と、標準評価(平均B)、下位評価(平均C)だった場合、というふうにします。

 同じ等級経験者でも、ずっと上位評価だった場合と、標準評価、下位評価だった場合では開きがでることになり、経験職位が上でも支給水準は必ずしも上位に来ないことを示しています。

 また、最大最小格差が、評価を入れないポイント制よりも当然のことながら大きくなっています(550万円→1000万円)。こうした格差が自社にとって適正範囲(許容範囲)であるかどうかも、現状の受給額の格差状況などを見ながら判断していきます。

図1.gif


次項⇒〔45〕 算定シミュレーションと全体調整②-全体調整の考え方と制度設計のバリエーション


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This page contains a single entry by wada published on 2006年6月11日 00:21.

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