〔27〕 業績・成果反映型賞与の設計③-原資管理に主眼を置いた「ポイント方式」

〔27〕 業績・成果反映型賞与の設計③-原資管理に主眼を置いた「ポイント方式」
 

● 原資管理に主眼を置いた「ポイント方式」

 前節の「等級別基礎額方式」と同じように基本給から切り離した賞与算定方式で、より柔軟な賞与原資の管理に主眼を置いたものに「ポイント方式」があります。

 「ポイント式」業績賞与は、総額の確定している賞与原資がまずありき、という前提のもとに、次のような流れで算定します。
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① 等級・評価ごとに支給額ポイントを設定する(ポイントテーブルの作成) 

② 支給対象全員に個々の等級・評価に沿って支給額ポイントを割り当てる

③ 支給対象全員の総ポイント数を求める(Σ(支給額ポイント×人員)=総ポイント数)

④ 賞与原資÷総ポイント数=1ポイント当たりの単価

⑤ ポイント単価×等級・評価ごとのポイント=等級・評価ごとの支給額

 ⑤は<ポイント単価×個々の支給額ポイント=個々の賞与支給額>と言い換えることもできます。

 ポイントテーブルの作成手順は、次の通りです。

① 実績に基づく(標準評価〔B〕での)等級別支給額ポイントを仮設定する

② (標準評価〔B〕での)あるべき等級別支給額ポイントを設定する

③ 評価間格差を設定する(左表上)

④ 支給額ポイントに置き換える(左表下)

  
● 「ポイント方式」のメリットと注意点

 「ポイント方式」は、理論上原資の過不足が生じないため、原資に合わせて評価をいじるといった必要がないというメリットがあります。

 また、「等級別基礎額方式」と同様、基本賞与は存続し、業績賞与のみに適用することも可能です。

 注意点としては、原資オーバーの心配がないため評価の充分な吟味や調整が行われないまま計算作業に入ってしまいがちなことです。
 会社全体が業績目標を達成していても、それ以上に評価がインフレ(甘い)傾向にある場合、ポイント単価が下がり(このことにも違和感がありますが)、下位職層の支給水準が極端に低くなってしまうなどの影響がでます。


次項⇒〔28〕 プロフィット・シェア・ボーナス(利益還元賞与)-好業績時に利益の一部を社員に還元


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This page contains a single entry by wada published on 2006年6月11日 00:42.

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