〔18〕 役割給「改定(昇給)テーブル」の作成④-C.「洗い替え方式」と多段階洗い替え方式

〔18〕 役割給「改定(昇給)テーブル」の作成④-C.「洗い替え方式」と多段階洗い替え方式


● 洗い替え方式 

 ⑤の「洗い替え方式」(単段)は、同一役割等級内で評価ランクごとに役割給を絶対額で定める方法です。(下表の専門職E1、E2がそれに該当します)。

 この方式では、役割等級が変わらない限り、評価変動によってレンジ内の該当金額を"行き来する"だけで、たとえA評価であっても、前年度がS評価であれば役割給はダウンします。ですから、運用において同一等級に留まっている間のモチベーションをどう保つかが課題となります。


● 多段階洗い替え方式 

 ⑥の「多段階洗い替え方式」は、同一役割等級内の役割給レンジを複数の段階(ゾーン)に分け、評価ランクごとに役割給を絶対額で定める方法です。(下表の管理職M1、M2、M3がそれに該当します)。
 ゾーン間の移動は、例えば「過去3年間の評価累積」などにより行います。(その場合、ゾーンへの位置づけには「属人的要素」が入る、ということになります。)

 この方式では、単段階に比べ、同一等級内でも"ゾーン"が上がれば上限額が高くなるので、「単段階」よりは、同一等級にいる間のモチベーションを維持する効果はあります。
 ただし、「ゾーン変更の管理」という作業が1つ増える分、運用が煩雑化します。


● 洗い替え方式のメリット・デメリット  

 洗い替え方式は、定期昇給の考え方を完全排除しているので、人件費の管理(抑制)上は最適です。
 しかし、一定の水準以上の支給額でなければ適用は難しいと思います。(導入時に対象者全員の給与がリセットされるので、ほぼ全員に調整給が発生するという問題もあります。)
 ただし、職能給との組み合わせなどでの「業績給」的な運用は充分に考えられます。

図11.gif


次項⇒〔19〕 「変動型給与」の検討-これからの賃金カーブと「変動型給与」への賃金体系見直し


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This page contains a single entry by wada published on 2006年6月11日 01:00.

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