〔26〕 業績・成果反映型賞与の設計②-基礎額を基本給から絶縁した「等級別基礎額方式」

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● 基礎額を基本給から切り離す
前節のような一般的な基本給ベースの月数方式(係数方式)は、現在の基本給が高い者ほど賞与額が高くなる傾向にあります。ですから、下位等級にあって業績評価も決して高くない社員が、上位等級で標準的な評価を得ている社員の賞与額を上回るということも起こり得ます。
そこで、賞与の算定基礎額に個々の基本給を用いることをやめ(基本給絶縁)、別途に等級別の基礎額を設定し、平均支給月数に評価係数を乗じたものを掛けて支給額を求める方法があります。
★ 支給額=等級別算定基礎額×平均支給月数×評価係数
このようなやり方は「等級別基礎額方式」と呼ばれるものですが、結果として次のような支給額テーブルができるので、「別テーブル方式」とも言います。

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● 基本賞与を存続し、業績賞与のみ基本給から切り離した場合
「等級別基礎額方式」を検討しシュミレーションしたところ、今までの支給実績との差額が大きくなる社員が多数出るという場合には、基本給連動型の基本賞与を存続し(例えば基本給の1ヶ月分を支給)、従来の(または新たに拡大設定する)業績賞与の部分のみ(例えば算定基礎額の平均1ヶ月分)において「等級別基礎額方式」を採用するというやり方により、制度移行をスムーズにする考えもあります(下表)。

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考え方として基本給から完全に切り離す方式より一見後退したかのように見えますが、評価間の評価係数のポイント格差の設定の仕方によっては、充分に業績反映度の高いテーブルを作ることができます(上の例では、評価間格差は拡がっています)。



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