◆精皆勤手当を3カ月ごとに支払う場合、割増賃金の算定基礎から除外できるか

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Qのロゴ.gifのサムネール画像当社(給食センター)では、社員に3カ月ごとに精皆勤手当を支給することを検討しています。仮に、精皆勤手当の支給対象者が残業をした場合、この精皆勤手当は、「臨時に支払われた賃金」または「1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金」のいずれかに該当するものとして、割増賃金の算定基礎から除外することができるでしょうか。1日の所定労働時間は7時間で、手当の額は、支給要件を満たした月について、月額7,000円を考えています。


Aのロゴ.gifのサムネール画像精皆勤手当を何カ月分かまとめて支払うことにした場合でも、それは「臨時に支払われた賃金」には該当しません。さらに、たとえ3月カ月ごとに支払われるものであっても、月ごとに支給額が決められている場合は、「1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金」にも該当しないと考えられるため、割増賃金の算定基礎額となる賃金から除外することはできません。

 

■解説
1 精皆勤手当はすべて割増賃金の算定基礎から除くことができるのか

労働基準法第37条第4項では、「割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当、通勤手当その他厚生労働省令で定める賃金は算入しない」と定めていますが、ここでいう「厚生労働省令で定める賃金」とは、①別居手当、②子女教育手当、③住宅手当、④臨時に支払われた賃金、⑤1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金をいいます(労働基準法施行規則第21条)。これらに該当しない賃金は、すべて割増賃金の算定基礎に含まれますが、これらの除外される手当についても、名称にかかわらず実質によって取り扱うこととされています。
まず、ご質問にある精皆勤手当が、上記④の「臨時に支払われた賃金」に該当するかどうかということについてですが、ここでいう「臨時に支払われた賃金」とは、結婚祝い金や慶弔見舞金などのように恩恵的・臨時的に支払われる賃金や、賞与などのようにあらかじめ支給額が確定していない変動的な賃金のことをいいます。したがって、精皆勤手当のようにあらかじめ支給することが定められた賃金は、これに該当しないことになります。
次に、上記⑤の「1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金」に該当するかどうかですが、「1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金」とは、次のものをいいます(施行規則第8条)。
イ.    1カ月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当
ロ.    1カ月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
ハ.    1カ月を超える期間にわたる事由によって算定される奨励加給または能率手当
 上記イ.の趣旨は、1カ月以内の期間では支給額の決定要素となるべき労働者の勤務成績等を判定するには短すぎる事情もあり得ることから、賞与に準ずるものとして取り扱うこととしているものであり、貴施設で考えておられるような、1カ月ごとに当該月の勤務成績によって支給額が確定し、支払いのみ3カ月分をまとめて行うというような場合は、これに該当しないと考えられます。精皆勤手当のすべてが、除外される賃金ではないということに注意しておく必要があります。


2 精皆勤手当を含めた割増賃金の算定方法

割増賃金の算定基礎となる賃金とは、当該労働者が通常労働した場合の1時間当たりの賃金を意味します。そのように考えると、精皆勤手当を含めた割増賃金を算定する場合は、精皆勤手当を時間額に換算して算出する必要があります。
月の所定労働日数が20日とすれば、月の所定労働時間は1日7時間×20日間=140時間となり、精皆勤手当の時間換算額は、7,000円÷140時間=50円となります。
したがって、仮に時給750円の社員であれば、750円+50円=800円が算定基礎額となり、これにより割増賃金を算定すると800円×1.25=1,000円となります。
割増賃金の算定において、通常の時間もしくは労働日の1時間当たり賃金額または1時間当たり割増賃金額に円未満の端数が生じた場合、50銭未満の端数は切り捨て、50銭以上1円未満の端数は1円に切り上げて処理することについては、労基法違反としては取り扱わないものとされています。


□根拠法令等
・労基法37(時間外、休日及び深夜の割増賃金)
・労基法規則8(臨時に支払う賃金、賞与に準ずるもの)、21(割増賃金の基礎となる賃金に算入しない賃金)
・昭22. 9.13発基17(臨時に支払われた賃金)
・昭63. 3.14基発150(賃金計算の端数の取扱い)




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