◆生理日の休暇を取得したときは欠勤扱いとして、賞与から控除をしてもよいか

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Qのロゴ.gifのサムネール画像当社の就業規則では、社員が生理休暇を取得した日は無給扱いとしています。実際に生理休暇を取得した女性社員について、賞与計算の際にも、生理休暇を取得した日を欠勤扱いとして勤怠控除してよいでしょうか。


Aのロゴ.gifのサムネール画像生理日の休暇は、労働基準法上、生理日の就業が著しく困難な女性が請求したときに与えなければならないものです。しかし、労働基準法は、生理日の休暇を取得した日について賃金を支払うことまでは求めていません。したがって、賃金から控除することは差し支えありませんが、賞与の勤怠査定の対象としたり、当該日数分を不支給としたりすることは、休暇の取得を抑制することになるため、望ましいことではないと思われます。

 

■解説
1 生理休暇の賃金控除

労働基準法第68条は、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」と定めています。この規定は、生理日の休暇の付与を義務づけた規定ですが、賃金の支払いを義務づけてはいないことから、通達のうえでも、「その間の賃金は労働契約、労働協約又は就業規則で定めるところによって支給しても、しなくても差し支えない」と解されています。
つまり、生理休暇は、「年次有給休暇」のように「有給」とすることを求められているものではなく、したがって、賃金計算において、生理休暇を取得した日を欠勤扱いとして基本給等の所定内賃金から控除しても、必ずしも違法となるものではありません。ですから、賞与についても、通常の欠勤や退職と同様に扱い、不就労時間に相当する額を減額しても一応は差し支えないものと考えられます。


2 賞与において欠勤扱いとすることの問題点

ただし、「生理休暇」は、本来「休暇」であって、労働の義務を課した所定労働日に労働の義務を免除するものであり、労働の義務が免除されているにもかかわらず「欠勤」扱いとなるのは、合理性を欠いているともとれます。給与において、欠勤と同様に不就労時間分を控除することは、ノーワーク・ノーペイの原則により一定の合理性が認められますが、賞与の「勤怠査定」の対象とし、当該日数分を減額したりすることは、前述の通り、もともとは「休暇」であって欠勤ではないため、問題があるように思えます。
さらに、いったん給与から控除されたものを再度賞与から減額することは二重の控除となり、そのこと自体が法に抵触するものではありませんが、生理休暇を取得する女性が被る不利益の度合いが大きくなることが考えられます。結果として休暇の取得を抑制することになるならば、生理休暇の取得を定めた労働基準法第68条の趣旨に反することになり、望ましいことではないと思われます。
通達においても、賞与算定のための出勤率の計算などにあたって、「取扱いについては労使間において決定されるべきものである」としながらも、「当該女子に著しい不利益を課すことは法(労基法第68条)の趣旨に照らし好ましくない」としています。
「生理日の就業が著しく困難」であるかどうかを使用者側が判断することは難しく、休暇の申し出をした女性社員との信頼関係に基づき休暇を与えているのが実情ですが、休暇申請が恣意的になされているといった問題が特になければ、生理休暇は単発的なものであるため、賞与算定のための出勤率の計算などにあたっては、その日を出勤扱いにしても差し支えないのではないかと考えます。


□根拠法令等
・労基法68(生理日の就業が著しく困難な女性に対する措置)
・昭23.6.11 基収1898、昭49.4.1婦収125、昭63.3.14 基発150、婦発47(生理休暇中の賃金・出勤率の計算)




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