◆残業が深夜や休日に及んだ場合の割増賃金の取扱いはどうすればよいか

更新日

Qのロゴ.gifのサムネール画像社員の残業が深夜に及んだ場合の割増賃金はどのように計算すればよいのでしょうか。また、平日の残業が休日に及んだ場合の割増賃金はどのように計算すればよいのでしょうか。


Aのロゴ.gifのサムネール画像時間外労働が深夜に及んだ場合には5割増以上の率で、平日の時間外労働が法定休日に及んだ場合には6割増以上の率で、それぞれ計算した割増賃金を支払わなければなりません。

 

 

■解説
1 時間外と深夜の割増賃金

労働基準法第37条では、時間外労働については2割5分以上の割増率で計算した割増賃金を支払わなければならないとしていますが、時間外労働が深夜に及んだ場合の割増賃金について「午後10時から午前5時までの間において労働させた場合」には、その時間の労働について「2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない」(同条第3項)としています。したがって、時間外労働が午後10時以降に及んだ場合には、使用者は時間外割増の2割5分に深夜割増の2割5分を加えた5割以上の割増率で計算した割増賃金を支払わなければなりません(施行規則第20条)。


2 時間外労働が休日に及んだ場合の割増賃金

次に、時間外労働が休日に及んだ場合の割増賃金は、その休日が労働基準法第35条によって規定されている法定休日(週1回または4週間を通じ4日の休日)にあたるのか、それとも法定の水準を上回る所定の休日(「法定外休日」という)であるかによって割増率が異なります。
(1)時間外労働が法定休日に及んだ場合の割増賃金
法定休日に労働させた場合の割増賃金は、3割5分以上の率で計算した額とされています(労働基準法第37条第1項および割増賃金令)。時間外労働が深夜に及ぶだけでなく、翌日の法定休日にまで連続して続いた場合(途中に仮眠等の休憩がある場合を含む)には、たとえ前日からの勤務の継続であっても、午前0時からは前日の時間外労働としてではなく、休日労働として取扱います。したがって、午前0時以降の休日労働の時間については3割5分以上の率で計算した割増賃金を支払うことになります。さらに、前日(平日)の午後10時から翌日(休日)午前5時までの間の時間は深夜労働に当たりますので、平日の午後10時から午前0時までは5割増、休日の午前0時から午前5時までの間の時間については、休日割増分の3割5分に深夜割増分2割5分を加えた6割増以上の割増賃金を支払う必要があります。
つまりこの場合、
・平日の午後10時から午前0時までは5割増以上(時間外割増分:2割5分+深夜割増分:2割5分)
・翌日(法定休日)の午前0時から午前5時までは6割増以上(休日割増分:3割5分+深夜割増分:2割5分)
・翌日(法定休日)の午前5時以降(午後10時まで)は、休日割増分3割5分増以上
の割増率で、それぞれ計算するということです。
(2)時間外労働が法定外休日に及んだ場合の割増賃金
時間外労働が法定外休日(法定を上回って設けられた休日)にまたがる場合の割増賃金については、行政解釈では「割増賃金を支払わなければならないのは法第35条の休日のみ」としていますから、所定休日の始まる午前0時以降についても、休日労働としてではなく時間外労働の継続として取扱うことができます。ただし、所定休日の午前0時から午前5時までの間は深夜の時間外労働になりますので、割増賃金は5割以上の率で計算した額となります。
つまりこの場合、
・平日の午後10時から午前0時までは5割増以上(時間外割増分:2割5分+深夜割増分:2割5分)
・翌日(法定外休日)の午前0時から午前5時までも同じく5割増以上(時間外割増分:2割5分+深夜割増分:2割5分)
・翌日(法定外休日)の午前5時以降(午後10時まで)は、時間外割増分2割5分増以上
という割増率での計算になるということです。


□根拠法令等
・昭23.4.5基発537、昭63.3.14基発150(割増賃金を支給すべき休日労働)





 ・内容についての無断転載は固くお断りいたします。

 |