◆賃金と手当の締切日が異なる場合、平均賃金はどう算定するのか

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Qのロゴ.gifのサムネール画像当社の賃金締切日(賃金支払い期間)は、前月の21日から当月の20日で、支払いを当月の25日としています。また、当月の時間外労働の締めは毎月末日とし、この分の手当は翌月払いとしています。この場合、労働基準法第12条で定める平均賃金を算定する期間として、どの3カ月をとればよいのでしょうか。


Aのロゴ.gifのサムネール画像労働基準法第12条でいう「算定すべき事由の発生した日以前3箇月間」とは、算定事由の発生した日は含まず、その前日からさかのぼって3カ月になります。賃金締切日がある場合は、直前の賃金締切日からさかのぼって3カ月となりますが、賃金と手当の締切日が異なる場合は、それぞれの締切日ごとに算定します。

 

 

■解説
1 平均賃金について

平均賃金は、①解雇予告手当、②休業手当、③年次有給休暇の賃金、④業務上の災害に対する補償、⑤減給の制裁の制限額の各算定の際に使用されます。
労働基準法(以下「法」という)第12条第1項は、「平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前3箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう」としており、さらに同条第2項では、「前項の期間は、賃金締切日がある場合においては、直前の賃金締切日から起算する」と定めています。
ここでいう「以前3箇月間」とは、算定事由の発生した日は含まず、その前日からさかのぼって3カ月になります。ですから、賃金締切日がある場合は、直前の賃金締切日からさかのぼって3カ月となりますが、賃金締切日に事由発生した場合は、その前の締切日から遡及することになります。
また、この場合の「総日数」とは、労働日数ではなく暦日数ですが、次の期間がある場合は、平均賃金が不当に低額になることを避けるため、その日数および賃金額は、先の期間および賃金総額から控除します(同条第3項)。
① 業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業した期間
② 産前産後の女性が労働基準法第65条の規定によって休業した期間
③ 使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
④ 育児休業・介護休業に関する法律に規定する育児休業または介護休業した期間
⑤ 試みの使用期間(雇入れの日より2週間)


2 賃金締切日が異なる場合の平均賃金の計算

ご質問にある賃金締切日が異なる場合の取り扱いについてですが、通達では、「賃金毎に賃金締切日が異なる場合、例えば団体業績給を除いた他の賃金は毎月15日及び月末の2回が賃金締切日で、団体業績給のみは毎月月末1回のみの場合、平均賃金算定の事由が或る月の20日に発生したとき、何れを直前の賃金締切日とするか」という問いについて、「設問の場合、直前の賃金締切日は、それぞれ各賃金ごとの賃金締切日である」としています。
この解釈に従ってご質問のケースを考えるならば、仮に計算事由発生日を11月30日とした場合、賃金は20日締めなので、計算対象となる期間は11月20日以前3カ月です。時間外労働手当は末日締めなので、対象期間は10月31日以前3カ月になります。各締切日別に計算した結果を合算したものが平均賃金となり、具体的には次のとおりです。

・平均賃金計算発生日:11月30日
・各賃金締切日による計算対象期間と平均賃金
① 時間外労働以外の平均賃金
 (8月21日~11月20日に支払われた時間外労働以外の賃金)÷92日(暦日数)
② 時間外労働分の平均賃金
 (8月1日~10月31日に支払われた時間外労働分の賃金)÷92日(暦日数)          
・平均賃金= ① + ②


□根拠法令等
・労基法12(定義)
・労基法20(解雇の予告)、26(休業手当)、39(年次有給休暇)、76(休業補償、77(障害補償)、79(遺族補償)、80(葬祭料)、81(打切補償)、82(分割補償)、91(制裁規定の制限)
・昭26.12.27 基収5926(賃金締切日がある場合の起算日)




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