◆留学生をアルバイトとして使用する場合にも最低賃金は適用されるか

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Qのロゴ.gif 当社では、外国人留学生をアルバイトとして何人か使用しています。日本よりも物価水準の低い国から来日している留学生ということで、一般より安いアルバイト料(時給500円)にしていますが、留学生であっても最低賃金法の適用があると聞きました。留学生のアルバイトにも最低賃金が適用されるのでしょうか。


Aのロゴ.gif 最低賃金法では、「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」と定めており、外国人留学生もこの規定の適用から除かれるものではありません。したがって、留学生をアルバイトとして使用する場合にも、最低賃金が適用されますので、最低賃金の時間額以上の時給を支払う必要があります。

 

■解説
1 最低賃金の適用を受ける労働者とは

労働基準法第28条では「賃金の最低基準に関しては、最低賃金法の定めるところによる」と規定しています。最低賃金法は、労働者の賃金の最低額を保障することにより、労働条件の改善を図ることを目的としたもので、その第5条で、「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない」と定めています。
ここでいう労働者とは、労働基準法第9条に規定する「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者」をさします(同居の親族のみを使用する事業または事務所に使用される者および家事使用人を除く)。ただし、次に掲げる労働者については、使用者が都道府県労働局長の許可を受けたときは、一定率を乗じて減じた額を適用するとされています(最低賃金法第7条)。
イ.精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者
ロ.試の使用期間中の者
ハ.職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうちの一定の者
ニ.所定労働時間の特に短い者、軽易な業務に従事する者
ホ.断続的労働に従事する者
したがって、ここであげられている労働者以外は、就労資格を持つ外国人はもちろんのこと、就労資格を持たない留学生や不法就労者の場合であっても、最低賃金の適用を受けるということになります。


2 外国人留学生のアルバイト雇用について

ちなみに、「留学」という在留資格で日本にいる外国人は、資格外活動の許可を得なければ、日本での就労はできませんが、資格外活動の許可を受けている場合は、留学生は1週について28時間以内(夏休みなど学校の長期休業期間にあっては1日8時間以内)、ならば、アルバイトとして雇用できることになっています。アルバイトというのが「ニ.所定労働時間の特に短い者」に該当するのではと思われるかもしれませんが、賃金が時間給で決められている場合には、所定労働時間の長さにかかわらず最低賃金が適用されます。
地域別および産業別最低賃金は都道府県ごとに定めるもので、現行制度では時間額で決められており、毎年1回改定することになっていますが、外国人留学生のアルバイトの時間給が500円であるというのは、どの地域の最低賃金額をも下回っており、違法であるということになります。
また、労働基準法第3条では「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」と定めており、外国人留学生の出身国の労働条件等が日本のものと比べて低いことを理由とする差別的取扱いも違法であると解されます。


□根拠法令等
・労基法28(最低賃金)
・最賃法2(労働者の定義)、5(最低賃金の効力)、7(最低賃金の適用除外)
・入管法19(資格外活動)




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