〔09〕 賃金制度設計のポイント②-諸手当を思い切って"リストラ"する

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● なぜ諸手当は少ない方が良いのか
もうひとつのポイントは、諸手当を"リストラ"する、つまり諸手当を整理することです。
家族手当、住宅手当、食事手当、物価手当、地域手当、別居手当、役付手当、資格手当、職種手当、特殊作業手当、営業手当、皆勤手当...。現在支給されているこれらの手当が本当に必要なものなのか検討し、廃止可能なものは基本的給与に吸収するなり、一時金で代替するなどの措置をとります。残すことに合理的な理由がある手当もあるかと思いますが、全体としては諸手当を思い切って"リストラ"する方向へ持っていく方が、成果主義の考えに適っています。

 諸手当の項目が多いということは、それだけ諸手当の給与総額に占める比率が高いということであり、その分、業績や成果を反映させることができる部分が小さくなるということです。諸手当の給与総額に占める比率が高いほど、「賃金は付加価値貢献の対価」であるというメッセージが薄れてしまうことになります。
それまでの諸手当の支給状況によっては、諸手当を基本給に含めることにより、時間外労働に対する割増賃金の算定基礎額が若干高くなるケースもありますが、成果主義を徹底させる上では、合理性の希薄な手当を慣習的に存続させることの弊害の方が大きいと思われます。

●    諸手当廃止の個別検討

■生活関連の手当。
家族手当(扶養手当)、住宅手当は多くの企業に見られる手当ですが、成果主義の観点からすれば廃止または縮小するのが望ましいと考えます。小企業などでは家族手当に込められた会社のメッセージがあるかもしれませんが、ならば代わりに祝い金の金額を増額するなどしてはどうでしょうか。食事手当、物価手当も廃止すべきです。地域手当、別居手当(単身赴任手当)については、支給に一定の合理性が認められるケースが多いようです。住宅手当や物価手当が実質的に地域手当の意味合いで支給されている場合も、残さざるを得ないケースがあるかと思います。合理性が認められなければ廃止すべきでしょう。

■職務関連の手当
役付手当(役職手当)はほとんどの企業に見られる手当ですが、金額があまり大きくなりすぎると役職の任免に柔軟さを欠くことになるので注意が必要です。役割給制度や業績給制度を入れる場合には、その意味合いが重複することもあるため、場合によっては廃止も検討してよいかと思います。資格手当(特殊技能手当)、職種手当、特殊作業手当については、企業の事情にもよりますが、一時金に代替可能なものは廃止してもよいかと思います。営業手当(外勤手当)については、事業場外みなし労働時間制における超勤相当額として支給されている場合は存続対象となりますが、靴代・背広代という意味合いならば廃止すべきでしょう。皆勤手当(精勤手当)も、皆勤を奨励する特段の事情がない限りは廃止するのが望ましいと考えます。

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