〔参照書籍〕

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本稿(賃金改革55)をまとめるにあたり、参照させていただいた主要な書籍を挙げます。

● 藤原久嗣 『職務・成果主義による 新賃金・人事制度改革マニュアル』(日本法令'02年)
本書は、米国の賃金・人事制度の特長から積極的に学びつつ、日本的な伝統を生かした日本型職務・成果主義を提唱しています。著者の藤原先生は、超大企業から中小・零細企業まで20数年のコンサルティング歴を持つ「ヒューマンテック研究所」の代表で、いち早く"能力主義"から脱却し、「ブロードバンディング」に着目した"職務グレード"主義(役割主義)を提唱、その理論や制度設計の技術は、多くのコンサルティング経験から導き出され、また多くの企業に導入されています。賃金制度の他に、ボーナス制度や年俸制、ポイント制退職金制度や新企業年金など多くの点で、本稿の作成、および当方の提案業務において、参考にさせていただいています。また、先生は「社会経済生産性本部」のホームページ「Q&A人事労務相談室」の回答執筆者でもあり、賃金・人事制度の法規面からの適合性のチェックにおいても、間違いなく第一人者です。
● 元井弘 『役割業績主義人事システム』(生産性出版'05年)
本書の著者である元井先生は、社会経済生産性本部の主席コンサルタントで、約30年にわたり600社以上の企業のコンサルティング歴を持つベテランコンサルタントです。この本に示された「役割」の概念の定義、「職務」との違いなどの説明の明確さは多分、日本随一だと思います。その他にも、役割給の運用方法、賞与や退職金でのポイント制の運用方法は、本稿において大いに参照させていただきましたし、実際のコンサルティングにも役立っています。本稿に示した「役割キャリア給」という概念や、「多段階評価替え(洗い替え)役割給」という運用タイプは、何れも先生の提唱によるものです。

以上は、当方が直接師事した先生による著書ですが、それ以外にも次の2冊を参照しました。
● ウィリアム・マーサー社 『実践Q&A 戦略人材マネジメント』(東洋経済新報社'00年)
本書は、戦略人事コンサルティングの現マーサーヒューマンリソースコンサルティング社の著作で、HRMがテーマですが制度に踏み込んで書かれているので、表題どおりに実践的です。昇給マトリクス(ゾーンマトリックス)や業績連動報酬の考え方において参照させていただきました。
● 日本生命保険企業保険数理室 『確定給付企業年金のすべて』(東洋経済新報社'02年)
まるまる1冊、確定給付企業年金について書かれた本は今のところ少ないのですが、本書はその中でも比較的わかり易くまとまっており、また、制度移行の際のポイントに重きが置かれた内容になっている点でも実務的に参考になります。
その他に、退職金前払い制度について、鍋田周一氏(PANフィールドリサーチ)の著書を参照させていただきました。

以上の書籍の著者の方々にお礼申し上げるとともに、本稿中に当方の考えを入れることで、原著者の意図を曲げている部分、またはそう受け止められがちな部分がありましたら、当方の未熟さ故であり、謹んでお詫びいたします。

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