〔23〕 成果主義賃金制度の定着のために-賃金制度の "自社適合" を図る

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● 「役割給」+「業績給」は"ハイブリッド方式"
 「役割給」と「業績給」を組み合わせて使うメリットを前節で述べましたが、この場合の「役割給」は「定昇累積方式」であることを前提にしており、言わば"ハイブリッド方式"なのです(表参照)。仮に「役割給」も「業績給」も「完全洗い替え方式」にしてしまうと、やはり不安定な賃金体系となることは否めません。

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● 「役割給」のみでも充分に運用可能
「業績給」を入れるかどうかは、「役割給」の運用方法、自社が考える「成果主義賃金」などとの関連で決めます。「役割給」を「定昇累積方式」にしたとしても、等級別の「範囲給」とし、そのレンジを守った上で、「定期昇給」においても評価によって減給もあり得るということが充分に社員に理解されていて、かつ、役割等級の「降級」の仕組みがきちんと機能し、役割レベルと成果の給与への反映が、会社が考える「成果主義」の程度にまで実現できるのならば、「役割給」のみで"自社適合"と言えるので、「役割給」一本でいく方がむしろシンプルで合理的です。

● 「業績給」を入れた方が良いケース
状況的に見て「業績給」を入れた方が良いと思われるのは、例えば次のような場合です。
① 役職手当が過大なため役職の任免が硬直化している場合
② 管理・監督職に時間外手当を支給している場合
③ 営業部門の管理職にのみ業績給を入れ、その他の部門では入れていない場合
①のケースでは、変則的運用が横行しているケースもあり、変動的に扱うならば「変動給(業績給)」としてのルールを定めた方が良いでしょう。②のケースも、現在の残業代は変動費である訳ですから、役割給に組み入れて固定化するよりも、業績給として「変動費」的性質を維持した方が良いでしょう。③の場合は、管理部門や企画部門のミッションや年度毎の課題を明確にすることが前提になりますが、現在が曖昧であるならば、「業績給」導入を機にその点を改善するのも一策です。業績反映度を直接部門と間接部門で変えるなどの調整も、問題ありません。


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