〔15〕 役割給「改定(昇給)テーブル」の作成①-改定(昇給)方法は3種類×2=6パターン

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● 役割給の改定方法
ここで言う役割給の「改定」とは、一般に言う「昇給」のことですが、運用上「据え置き」または「減額」もあり得るため、そうした表現をしています。この場合、就業規則や賃金規程も、「役割給の改定は年1回、原則として○月にこれを行う。ただし役割給は必ずしも増額するとは限らず、据え置きまたは減額することもあり得るものとする」といった表記になります。

役割給改定の方法としては、大きく3種類に分かれます。
A.前年度の給与をベースに、「定昇累積方式」で、昇給または、据え置き、減給する
B.前年度の給与をベースに、「パーセント方式」で、評価係数を掛けて決定する
C.前年度の給与に依らず「洗い替え方式」で決定する

Aの「定昇累積方式」(ここで言う"定昇"とは評価昇給のことであり、自動昇給のことではありません)は更に、同一等級の役割給のレンジ内に屈折点を設けて(屈折点方式)や、あるいは同様の趣旨ですが、いくつかの段階(エキストラゾーン・スタンダードゾーン・ライジングゾーンなど)に分けて昇給ピッチを変えるなどして定昇調整を行うバリエーションがあります。

Bの「パーセント方式」は、前年度の給与をベースに新給与を決めるという点ではAの「定昇累積方式」と同じです。ただし、「額」ではなくて「率」によって新給与の算定を行うということです。この方式も、同一等級の役割給のレンジ内をいくつかの段階(ゾーン)に分けて昇給"率"を変える(ゾーンマトリックス)などのバリエーションがあります。

Cの「洗い替え方式」は、前年度の役割給の額に関わらず、同一等級の役割給のレンジ内で評価別に定めた絶対額を適用するものです。この場合、定昇的な要素はまったく無くなり、同一等級で前年度と同じ評価であれば(賃金テーブルの塗り替え改定が無い限り)据え置き、評価が下がれば役割給もダウンします。
この方式にも、同一等級の役割給のレンジ内を更にいくつかの段階(ゾーン)に分けて、評価の累積によってゾーンを移動し、そのゾーン内で洗い替えをする方式があります。通常タイプを「洗い替え方式」(単段階)とすれば、このタイプは「多段階洗い替え方式」ということになります。

代表的な組み合わせを抽出すると次の6方式になります。
① 絶対額による定昇累積方式(=前年度役割給±評価増減)
② 絶対額による定昇累積方式(=前年度役割給±評価増減) かつ 屈折点を設ける方式
③ パーセント方式(=前年度役割給×評価係数)
④ パーセント方式(=前年度役割給×評価係数)かつ ゾーンマトリックス
⑤ 洗い替え方式(単段) 
⑥ 多段階洗い替え方式

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