2010年8月アーカイブ
当社では、社員に支給する賞与の金額は、対象期間における出勤状況や貢献度、営業成績などに基づき決定していますが、就業規則(賞与規程)において、「出勤停止以上の処分を受けた者については、賞与を支給しない」と定めることは可能でしょうか。
貴社において、これまでどのようなかたちで賞与が支給されてきたかによる部分はありますが、本来の賞与額から大幅に減額したり、全額を不支給としたりすることを定めることは、そうした定め自体が違法となる可能性が高いとみていいでしょう。
当社では、今回の賞与の額について労使の交渉が長引き、賞与の支給が、本来の支給日から1ヵ月遅れてしまいました。
本来の支給日以降、実際の支給日の前日までの間に退職した社員がいますが、当事業所の就業規則(賞与規程)では、「賞与は支給日の前月末日までに入社し、支給日当日において当社に在籍する者に対して支給する」となっています。
この場合、この退職者は、実際の支給日には在籍していなかったことになりますが、このような場合でも、その者に賞与を支払う必要はあるのでしょうか。
本来の賞与の支給日に在籍していたのであれば、ご質問の退職者には賞与支払請求権があり、たとえ実際の支給日には在籍していなかったとしても、賞与を支払う必要があります。
この冬は新型インフルエンザの流行が蔓延するおそれがあると、マスコミ等で報じられていますが、当事業所では、介護福祉事業という業務の性質上、職員と同居の家族が新型インフルエンザ等の感染症にかかった場合、当該職員を「保健所の判断がなくても原則として自宅待機とする」ことを就業規則に定めようと考えています。
この場合、当該職員の休業の期間については、賃金や休業手当を支払う必要はあるでしょうか。
保健所等行政による休業の場合は「賃金」「休業手当」とも支払う必要はないと考えられますが、行政の判断を待たずに"事業所独自の判断で命じた休業"については、「使用者の責めに帰すべき事由による休業」に該当すると解され、少なくとも「休業手当」の支払いが必要とされる可能性があります。
当社では、毎年4月に賃金の改定を行っており、4月分の賃金(4月25日支給)からベースアップおよび定期昇給後の賃金を支給しています(定期昇給は「一律の定額昇給」と「査定昇給」からなる)。
しかしながら、今年の場合は新賃金の決定が例年より遅れることが予想され、4月分は暫定的に旧ベースの賃金を支払い、新賃金決定後に差額を支給することを考えています。
こうした状況において、4月末日で退職予定の社員がおり、新賃金確定時には退職していることになりますが、この社員に対して退職後においてでも、賃金改定後の旧賃金と新賃金との差額を支払わなければ違法になるのでしょうか。
新賃金決定後、その支払対象を在職者のみとするか退職者を含めるかは、当事者の自由とされていますので、退職者を支払対象から除いても違法にはなりません。
したがって、4月に遡及してベースアップや定期昇給(査定昇給)をした場合、その間の退職者に対して賃金の差額を支払う規定がない限りは、差額分を支払う必要はありません。
ただし、定期昇給分のうち、一律昇給の部分について就業規則(賃金規程)等で昇給額があらかじめ定められていて、当該額の昇給をまだ行っていない場合は、その差額を支払う必要があります。
業績の悪化により、所定の退職一時金を一時期に全額支給するだけの資金的な余裕がありません。そもそも退職一時金は、一括して支払わなければならないものなのでしょうか。それとも、分割して支給することが可能なものなのでしょうか。
就業規則や退職金規程などに退職金を分割して支払う旨の定めがあれば、分割して支払うことができます。そうした定めがない場合は、就業規則(退職金規程)の内容を変更する必要があります。