【3153】 ○ 満田 穧(かずほ) 「ウルトラセブン(第42話)/ノンマルトの使者 (1968/07 TBS) ★★★☆

「●TVドラマ①50年代・60年代制作ドラマ」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【2093】 「怪奇大作戦(第7話)/青い血の女
「●藤田 進 出演作品」の インデックッスへ 「●平田 昭彦 出演作品」の インデックッスへ 「○日本映画 【制作年順】」の インデックッスへ

政治的メッセージがあるとも取れるし特に無いとも取れる。それくらいがいい。

ウルトラセブン dvd11.jpg ノンマルトの使者 t.jpg ウルトラセブン 42 ノンマルトの使者 01.jpg ウルトラセブン 42 ノンマルトの使者 02「.jpg
DVD ウルトラセブン Vol.11」(「第42話/ノンマルトの使者」所収)/地球原人ノンマルト/蛸怪獣ガイロス
菱見百合子(友里アンヌ)
ノンマルトの使者002.jpgウルトラセブン 42 ノンマルトの使者 06.jpg 海岸で休んでいたアンヌ(菱見百合子)の元へ男の子がやって来て、シーホース号の海底開発を今すぐ止めさせないと、大変なことになると予告する。ダン(森次浩司)がアンヌのところへ戻って来ると、沖に見えるシーホース号が炎を上げて燃え始めた。連絡を受けた基地からハイドランジャーが発進して探索すると、海底基地は爆破され近くで潜水艦のようなものを目撃する。アンヌは男の子の顔を覚えていたので、近くの小学校で男の子を探すが、全員違っていた。地球防衛軍ではマナベ参謀(宮川洋一)が子供の声でかかってきた電話を録音してあり、みんなに聞かせ始めると、海底はノンマルトのものだと言っていた。ダンはノンマルトはもともと地球人のことだが、人間とは別の生き物がいるのかと、ノンマルトの正体を考える.。アンヌは事件を予告してきた男の子が海辺の岩の上に座っているのを見つける―。

 「ウルトラセブン」の第42話で、'68年7月21日放映。監督は満田穧(かずほ)、脚本は金城哲夫。

ノンマルトの使者01.jpgノンマルトの使者00.jpg ダン(ウルトラセブン)の故郷M78星雲では地球人のことをノンマルトと呼んでいるが、少年の言うノンマルトとはいったい何者なのか? アンヌが少年を見つけ出し、ノンマルトとは何なのかということを尋ねると、それに対する少年の答は「本当の地球人さ ずっとずっと大昔 人間より前に地球に住んでいたんだ でも人間から海に追いやられてしまったのさ 人間は今では自分たちが地球人だと思ってるけど本当は侵略者なんだ」という驚くべきものだった―。

 う~ん。人類の誕生以前に別の地球人(海底人)が居たという凄いSF仕立て。しかも、その海底人の存在を伝えた少年は、実は2年前にこの海で亡くなっていたというオチなので、「ウルトラセブン」の後番組の「怪奇大作戦」('68年~'69年)の雰囲気も漂っている印象を受けます。

ノンマルトの使者 アンヌ.jpgノンマルトの使者d.jpgノンマルトの使者r.jpg 一方で、冒頭、ダンとアンヌは海水浴に来ていて、アンヌは首まで砂に埋まり、ダンは海で魚を仕留めてくるという、絵にかいたようなレジャーモード(アンヌの水着姿も見ることができるし)。ラストでも二人して波打ち際を走り、日活青春映画のワンシーンみたいだったりします。

 先住民vs.侵略者である地球人という構図とも解釈でき、沖縄出身の金城哲夫の政治的メッセージが込められているとの見方もあるようですが、アンヌ隊員役のひし美ゆり子氏が「先住民vs.侵略者である地球人という構図は後付けではないか」と言っているし、満田穧(かずほ)監督も「沖縄人としての思いを込めて書いたのではないか?」という質問に対し、「全くそうは思わない」と答えています。

 個人的には、そうとも取れるし、と言ってそう取らなければならないというほどの押しつけがましさも無いという印象で、そういうところがこの作品の良さなのかもしれません(結構、このシリーズ、そういうのが多かったりする)。

ノンマルトの使者99.jpgノンマルトの使者001.jpg「ウルトラセブン(第42話)/ノンマルトの使者」●制作年:1968年●監督:満田穧(かずほ)●脚本:金城哲夫●特殊技術:高野宏一●音楽:冬木透●時間:30分●出演:森次浩司(森次晃嗣)/菱見百合子(ひし美ゆり子)/中山昭二/石井伊吉(毒蝮三太夫)/阿知波信介/古谷敏/二瓶正也/宮川洋一/天草四郎●放送局:TBS●放送日:1968/07/21(評価:★★★☆)

Categories

Pages

Powered by Movable Type 6.1.1