【2920】 ○ 井田 探 「恐怖劇場アンバランス(第13話)/蜘蛛の女 (1969年制作(制作No.4)1973/04 フジテレビ) ★★★☆

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やや"ベタ"か。役者「佐々木功」が味わえるのがメリット(しかも主役)。

DVD恐怖劇場アンバランスVol.6.jpg1(第13話)/蜘蛛の女 t.png 1(第13話)/蜘蛛の女 さ2.jpg 1(第13話)/蜘蛛の女 ささ1.png
DVD恐怖劇場アンバランスVol.6」第11話「吸血鬼の絶叫」 第12話「墓場から呪いの手」 第13話「蜘蛛の女」所収 佐々木功(森辰也)
1(第13話)/蜘蛛の女 佐々木1.png1(第13話)/蜘蛛の女51.jpg カメラマン青年・森辰也(佐々木功)は、元金貸業の女社長・加原連子(八代万智子)と彼女のマンションに暮らすヒモだが、真木ミチ(真里アンヌ)という恋人も1(第13話)/蜘蛛の女まり1.pngいたりし、一方で、個展を開きたいと考え、連子に金を出してもらったりもしている。しかしその金を、ヤクザまがいの山西成光(今井健二)に因縁をつけられて巻き上げれてしまう。山西は実は連子の会社の元社員だった。連子から「あなたは私のペットなのよ」と言われ、激高した辰也は、連子を絞め殺してしまう。遺体を車で山中に運び、木に縛りつけ、ガソリンをかけて燃やしてしまうが、その時、連子が目をゆっくり開けこちらを見つめた気がした。マンショ1(第13話)/蜘蛛の女 31.pngンに戻って大金の入ったトランクを見つけ喜ぶ辰也。そんな辰也の前に、連子の妹と称する松美(集三枝子)という女が現れる。一方、辰(第13話)/蜘蛛の女 011.png也が連子を殺害したことに気がついた山西は、またしても佐々木功を強請ろうとするが、辰也はその山西を撲殺する。ところが、その現場を松美に見られ、今度は松美から「あなたは私のペットよ」と言われたため、咄嗟に松美も絞め殺してしまう。そして、トランクの金を元(第13話)/蜘蛛の女31.png手に門馬支配人(大泉滉)の画廊で個展を開くが、会場を飾るはずのミチのヌード写真が全て、連子、山西、松美の死体の写真にすり替わっていた。そのミチは女郎蜘蛛の群れに殺され、そして辰也も―。

 「恐怖劇場アンバランス」の第13話(最終話)で、井田探(もとむ)監督(1922-2012)、滝沢真里脚本。「制作No.4」で、これも第12話同じく'69年に制作された、シリーズ当初のホラー路線に沿ったものとなっています(制作No.8以降は原作付きのサスペンスに路線変更している)。

佐々木功 in「乾いた花」('64年)
乾いた花 佐々木功.jpg この「蜘蛛の女」は傑作と推す人は多いですが、個人的にはちょっと"ベタ"過ぎる印象でしょうか。役者としての佐々木功(現ささきいさお)がじっくり味わえるのが最大のメリットで(篠田三郎監督、浅丘ルリ子主演「乾いた花」('64年/松竹)などで脇役として出てはいるが)、熱演していると思います。ただ、主人公・辰也が半ば被害妄想状態の中、どんどん人を殺していくので、話としては逆にあまり怖くなかったです。最初の殺人の遺体処理で、辰也はなぜ遺体を木に縛る必要があるのかとか、連子は有り金を全部"箪笥預金"ならぬ"トランク預金"していたのかとか(誰かに見せ金する必要あった?)、突っ込みどころが多すぎるというのもあります。

佐々木功.jpg「ささきいさお.jpg 佐々木功は、役者としての「佐々木功」とアニメソング歌手としての「ささきいさお」と芸名を使い分けていましたが、結局「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」などアニメソングで多くのヒット曲を持つことの方であまりに有名になってしまい、芸名を「ささきいさお」に表記統一してしまいます。元々は俳優であり、シルヴェスター・スタローンなどの吹き替えで声優としても知られています。
     
八代万智子 in「恐怖劇場アンバランス(第13話)/蜘蛛の女」('69年)
八代万智子 (1).jpg1マグマ大使.png1(第13話)/蜘蛛の女11.png 辰也をペット扱いするまさに「蜘蛛女」連子役の八代万智子(1939年生まれ)は、「マグマ大使」('66年)にマモル(江木俊夫)の母親役で出八代万智子2.jpgていましたが(父親役は岡田眞澄)、「プレイガール」('69年-'76年)でもレギュラーでした(演技の幅が広いが、この作品では完全に悪女系の女性を演じている)。この人は結婚を機に芸能界を引退しています。連子の「妹」松美役の集三枝子(1949年生まれ)は、この後、東集三枝子 z.jpg映映画で大信田礼子主演の「ずべ公番長」シリーズの準レギュラーになりましたが、'73年くらいと若いうちに引退したようです。

集三枝子 in「ずべ公番長 東京流れ者」('70年)

真理アンヌ in「ウルトラマン(第32話)果てしなき逆襲」('67年)   
科学特捜隊インド支部・パティ隊1.jpg真理アンヌ2.jpg真理アンヌ3.jpg 真理アンヌ(1948年生まれ。父親がインド人で母親が日本人)は、「ウルトラマン(第32話)果てしなき逆襲」('67年)に科学特捜隊インド支部・パティ隊員役で出ています。因みに、「ウルトラセブン」で菱見百合子が演じた「友里アンヌ隊員」の役名は、第1期ウルトラシリーズを企画した金城哲夫(1938-1976/37歳没)が真理アンヌのファンだったことからその名になったとのことです(この人は吉本興業所属の現役)。

大泉滉
3大泉滉1.png1(第13話)/蜘蛛の女 d.png この「蜘蛛の女」の場合、結局、主要登場人物は皆(悪人ばかりだったけれど)死んでしまったわけだなあ(大泉滉は何ともないけれど、善人でも悪人でもないから(笑))。第12話「墓場から呪いの手」に続いて主人公が殺害した女性の"妹"が出てくるわけですが、今回の「松美」は自分で鏡に向かって鏡は無い方がいいと言い(鏡に映った松美は連子の姿になる)、「私が連子だとは(辰也は)まだ気がつかない(第13話)/蜘蛛の女  211.pngとまで言っているので(つまり、単なる辰也の思い過ごしではないということ。視聴者向け解説?)、妹と言うより連子の化身なのでしょう(最後には"生身"の連子自身が出てくるし)。
    
(第13話)/蜘蛛の女」  .jpg「恐怖劇場アンバランス(第13話)/蜘蛛の女」●制作年: 1969年(制作№4)●監督:井田探(もとむ)●監修:円谷英二●制作:円谷プロダクション/フジテレビ●脚本:滝沢真里●音楽:冨田勲●出演:八代万智子/集三枝子/真理アンヌ/今井健二/滝川早苗/山口勲/相良孝子/高品格/大泉滉/若水ヤエ子/佐々木功/青島幸男(解説)●放送:1973/04/02●放送局:フジテレビ(評価:★★★☆)

   

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