【2869】 ○ イメージパブリッシンググループ(編) 『世界のベストハウス100 (2002/12 グラフィック社) ★★★★ (○ Lola Gómez(ローラ・ゴメス)/Susana González Torras 『LOFTS (2003/12 Gardners Books) ★★★★)

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見ているだけでうっとりするベストハウス集。ロフトは機能美を兼ね備えたゴージャス?

世界のベストハウス lofts.JPG 世界のベストハウス100.jpg Lofts.jpg
世界のベストハウス100』(28.8 x 28.6 x 3.2 cm)『Lofts (Architecture & Design)』(19.7 x 14 x 4.4 cm)

世界のベストハウス_54052.JPG 『世界のベストハウス100』(タイトルのみ日本語で本文は英語)は、世界各地の優れた現地住宅100例を紹介する全3冊シリーズの第1弾で、このシリーズでは、豊かな独創性、高い完成度はもとより、環境との調世界のベストハウス_5406.JPG和においても各建築家の技が最大限に発揮された建築物ばかりを集め、都市部の実験的作品から郊外の田園的な住宅まで、「家づくり」という共通テーマをベースに、世界の建築家たちの限りない創造性に迫っています。

世界のベストハウス_5407.JPG 紹介されているのは、アメリカ、カナダやイギリス、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、フィンランド、ギリシャ、オランダなど欧米世界のベストハウス_5408.JPG諸国のものから、タイ、ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア、メキシコ、韓国、マレーシアなどの国のものもあり、モダニズムの中にもお国柄が窺えたりして興味深いです。

世界のベストハウス_5409.JPG やはりアメリカのものが多いですが、日本の建築家のものでは、岡田哲史(1962年生まれ)氏によるゲストハウス「富士北麓の家」と、阿部仁史(1962年生まれ)氏の鎌倉にある「n-house」、黒川紀章建築都市設計事務所の「O-Residence」などが紹介されていて、数がは多くないですが、若手と大御所事務所の組み合わせのようになっています(岡田哲史氏の「富士北麓の家」は、ちょ世界のベストハウス_5412.JPGうど本書刊行の頃、建築家の登竜門と呼ばれる新人賞「吉岡賞」(第17回(2001年)を受賞している)。

世界のベストハウス_5413.JPG 基本的に、別荘やゲストハウスも含め、個人が住まいとして居住する建築物が取り上げられていて(アメリカのものが多いのは発注資金が潤沢な資産家が多いためか)、インテリアもエクステリアと変わらないレベルで紹介されていますが、どれも見ていてうっとりするようなものばかりです。簡単な設計見取図も付されていて、プロならずとも、自分で自分のベストハウスを建ててみたいと思う人には参考になるのではないでしょうか。
       
LOFTS2.jpgロフト_5414.JPGロフト_5415.JPG 『Lofts』(手元にあるものの版元は在オランダ。本文は英語・スペイン語・イタリア語の対訳)は、テーマが、住まい、仕事場、ショッピング空間の3つに分かれていて、850ページにわたってびっちり"ロフト"を紹介しています。

ロフト_5416.JPG もともと"ロフト"とは建物の最上階または屋根裏部屋を指していましたが、それが天井の下でなく直接屋根の下にあり、倉庫などに使われる部屋のことも指すようになったようです。そうすると自ずと、天井が無い分だけ上部の空間が大きくて、屋根の傾斜や梁などがそうした空間デザインの一環として組み込まれているような部屋を想像しますが、実際そロフト_5417.JPGロフト_5418.JPGうした部屋が多くある中、「ああ、これもロフトと言えるのだなあ」といった意外なデザイン空間のものもあり、「ロフト」の奥の深さを感じました。本書の線で行くロフト_5420.JPGと、ロフトって結構"贅沢"(機能美を兼ね備えたゴージャス)とでも言うか、"憧れのロフト暮らし"ということになるのかも。そう言えば、『世界のベストハウス100』にも「ロフト」に該当するものがいくつもあったように思われ、この2冊の本の関係性を感じて一緒に取り上げた次第です。

ロフト_5424.JPG こちらも見ているだけで楽しめ、素人ながらインテリアの勉強にもなるし、家具などの色使いの参考にもなります(流行り廃りはあるのだろうけれど、自分の素人感覚では全部お洒落に見える)。でも、同じものを買うとなると、これが椅子1つで結構な価格になるのだなあ、この世界は。まあ、買える人はそれでも買うし、お金持ちでも総ヒノキ造りの神社仏閣みたいな家を建てる人もいるにはいる...。

ロフト_5419.JPGロフト_5426.JPG 随分前に刊行されたものですが、デザインの美しさには普遍性があるように思いました。その普遍性が何であるのかを追求するのは結構たいへんなのでしょう。知人の建築家で、建築からインテリアに徐々に移行し、今は完全にインテリア・デザイナー(すでにベテランの域なのでインテリア・プロデューサーと言うべきか)として活躍している人がいて、最近また需要が増えていているみたいですが、能力のある人のところに仕事が集まる、厳しい世界でもあるのだろうなあと思います。

          



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