【2823】 ○ 嶺重 慎/鈴木 文二(編著) 『新・天文学入門 カラー版 (2015/06 岩波ジュニア新書) ★★★★

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知識のブラッシュアップだけでなく「おさらい」という意味で分かりやすい良書。

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新・天文学入門 カラー版 (岩波ジュニア新書)』['15年]/『天文学入門―カラー版 (岩波ジュニア新書 (512))』['05年]

 わたしたち人間は、どこからやって来たのだろう。ルーツを探しに、宇宙の旅に出かけよう。地球から太陽系、天の川銀河、そして宇宙のはじまりへ。美しい写真と図版をたどりながら、惑星・恒星・銀河の成り立ちや、わたしたちと宇宙とのつながりが学べます。(裏表紙口上より)

 『天文学入門 カラー版』('05年/岩波ジュニア新書)を10年ぶりに大幅改訂したものです。初版にはあった「星・銀河とわたしたち」というサブタイトルが外れていますが、「わたしたちのつながりから宇宙をながめる」というコンセプトは継承されています。

 初版については、入門書とはいえ、近年の天文学はどうなっているのか、ある程度の予備知識がないと難しいのではないかとも思われましたが、その分、ジュニア向けに限らず、普通に大人が読んでも満足が得られる内容であったとも言え、結局、著者らによれば好評を博した(つまりよく売れた)とのことです。

 改訂版は、探査機の成果や系外惑星の発見、ダークマターやダークエネルギーなど、最新の研究を取り入れ、新しい写真・図版も多数掲載したとのことで、写真が奇麗なのと図版が分かりやすいのが本書の特徴ですが、カラー版の特性をよく活かしているように思いました。

 思えば、年を追うごとにいろいろな発見やそれに伴う天文学のトレンドの変化があるなあと。例えば、第2章の太陽系の説明のところにでてくる冥王星は本書にあるとおり、初版刊行の翌年(2006年)の国際天文学連合総会で惑星ではないと決められ、冥王星型天体(準惑星=ドワーフ・プラネット)と呼ばれるようになっています。余談ながら、ミッキーマウスのペットの犬・プルートの名前の由来にもなったように、唯一アメリカ人が発見した「惑星」でした(冥王星が「惑星」の座から陥落した当時、ディズニーは「(プルートは)白雪姫の『七人の小人(ドワーフ)』たちとともに頑張る」との声明を出した)。

 太陽系外惑星も、1995年の最初の発見から本書刊行時の2005年までの20年間で2000個以上発見されたというからスゴいことです。中には太陽系に似た太陽系外惑星系も見つかっているとして、その構成が紹介されています(ホントに似ている!)。アメリカの天体観測衛星ケプラーは、すでに3000個以上の形骸惑星候補を発見しているとのことで、この辺りは今最も新発見の続く分野かもしれません(そう言えば、ダイヤモンドが豊富に含まれている可能性がある惑星が見つかったという話や、表面に液体の水が存在し得る、或いはハビタブルゾーン内に位置していると思われる惑星が見つかったという話があったなあ。星ごとダイヤモンドだったらスゴイが、取り敢えずはダイヤより水と空気が大事か)。

 このように、宇宙そのものはそんな急には変わらないのでしょうが、人類が宇宙についての新たな知識を獲得していくスピードがなにぶん速いため、時々知識をブラッシュアップすることも大事かもしれません。本書自体も今年['19年]で刊行からもう4年経っていますが、知識のブラッシュアップだけでなく「おさらい」という意味で分かりやすい良書だと思います。

  



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和田泰明

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