【2800】 △ 平康 慶浩 『人生100年時代の「出世」のカラクリ (2018/10 日経プレミアシリーズ) ★★★

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出世・上司・部下・転職・副業・独立―切り口は多岐にわたるがインパクトはやや弱い。

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人生100年時代の「出世」のカラクリ (日経プレミアシリーズ)』['14年] 『出世する人は人事評価を気にしないリ (日経プレミアシリーズ)』['18年]

 人事コンサルタントによる本書は、人生100年時代と言われる今、日本人の働き方も、卒業→就職→引退という「3ステップ型」から、働きながらも、転職・副業・学び直し・趣味といったさまざまな選択肢を持てる「マルチステージ型」へと大きく変わろうとしているとし、会社の言う通り働くだけでは将来が危ないこの時代に、どのように自らの人材価値を高めていけばいいのか、「働き方」と「出世」のヒントを示した本であるとのことです。

 第1章「『会社人間』はキケンですか?」では、会社のビジョンやミッションに深く共感し、社内で人脈を作り、自社のビジネスやサービスに対すると知見を深めていく人たちを「企業人材」とし、一方で、自分自身の専門性を軸にして転職を繰り返し、よりレベルの高い仕事をするようになる人たちを「マーケット人材」としています(企業人材で、マーケット人材でもあるというハイブリッド型もあるとしている)。その上で、「できそうなのにできない人」と「本当にできる人」との違いは何か、「組織にいらないおじさん」はどうやって生まれるのかを考察してみます。

 第2章「会社は教えてくれない『出世』のこれから」では、管理職になることだけが「出世」ではないとしています。また、社内で顔が広く、業務を熟知した人が出世できる時代は終わりつつあり、今求められる人間関係や経験などの人的資本は、かけた時間によって得られるものではなくなっているとしています。

 第3章「『周回遅れ」人材にならないために今できること」では、デキない上司についた場合にどうしのぐかなど、上司・部下・自分との付き合い方を指南し、できる人ほどストレスとうまく付き合い、それを乗り切っているとしています。また、時代に合わせた実力を得るにはどうすればよいか、そのために必要な「論理力・説明力・決断力」という3つのスキルについて解説しています。

 第4章「転職・副業・独立......選択肢とどう向き合うか」では、転職・副業・独立といったものとそれぞれどう向き合うべきか、副業は本当に検討すべきか、資格取得は大事なのか、独立という選択肢は有効か、といったことを考察しています。

 第5章「経営者視点でさらなる高みを目指す」では、経営者は資本の論理だけでは企業を長く存続させることはできず、経営には志というものが必要であり、会社で働く人も、同じように、自らの志を自身に問うてみることが必要であるとしています。その上で、会社とは「稼ぐ場」ではなく「稼がせる仕組みの場」であって、「稼がせる」考え方を身につけることができれば、社内での出世も、独立や起業も難しくなくなるとしています(そのための学問がHRM(人材マネジメント)であるとしている)。

 著者は、前著『世する人は人事評価を気にしない』('14年/日経プレミアシリーズ)でもそうでしたが(前著の趣旨は、社内外に関わらずプロフェッショナルを目指せということだっったのではないか)、「出世」という言葉を社内での昇進のことだけではなく、起業して成功したり、転職して新たなキャリアやさらに高いポジションを得ることも含めて指すものとして用いています。

 出世・上司・部下・転職・副業・独立・資本・経営・人事評価と切り口は多岐にわたり、働く人にとっても啓発的な内容かと思いますが、人事パーソンが読んでも気づきを促される箇所はあったように思われます。ただし、全体としては、世間で多く行われているキャリア・セミナーを聴いているような感じで、インパクトはやや弱かった気がします(「人材マネジメント・人事本」というよりは「一般ビジネス書」)。

  



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和田泰明

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