【2796】 ◎ 中央職業能力開発協会 (木谷 宏:監修) 『ビジネス・キャリア検定試験過去問題集(解説付き) 人事・人材開発2級・3級 (2016/09 雇用問題研究会) ★★★★★

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ただ試験に受かるためでなく、自らの人事的な知識・センスを磨く上でもお薦め。

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人事・人材開発 2・3級 (ビジネス・キャリア®検定試験 過去問題集(解説付き))

 「ビジネス・キャリア検定試験」は、事務系職種のビジネス・パーソンを対象に平成6年(1994年)にスタートした、中央職業能力開発協会(JAVADA)が実施する公的資格試験で、事務系職業の労働者に求められる能力の高度化に対処するために、段階的・計画的に自らの職業能力の習得を支援し、キャリアアップのための職業能力の客観的な証明を行うことを目的としています。

 分かりやすく言えば、同じくJAVADAが実施する「技能検定」のホワイトカラー版といったところでしょうか。検定分野は「人事・人材開発・労務管理」「企業法務・総務」など8分野に区分され、その中に「人事・人材開発」「労務管理」「企業法務」「総務」など18部門(2級)があり、2級と3級の試験がそれぞれ年2回実施されています。

ビジネス・キャリア®検定試験 過去問2.JPG 本書は「人事・人材開発」部門の2級(部長補佐・課長級か)・3級(課長補佐・係長級か)の過去問題集です。一部、労働法関連の問題も含まれていますが、当然のことながら、労働法分野も「人事」の出題範囲内です。こうした過去問題集の刊行は本書が初めてですが、近年、「人事・人材開発」部門の出題傾向として、2級・3級とも新規問題よりも過去問題をそのまま乃至は一部改変して出題するケースの方が出題数に占めるウェイトとして高くなっていますので、Amazon.comのレヴューに「3度以上読めば、40問のうち3問は、読まない人より上乗せできると思います」とありましたが、あながち大袈裟とは言えないと思います。

 JAVADAはこれまでの過去問をウェブサイトで公表し、新たに実施された試験もこれまでと同じように試験後それほど日を置かずに公表していますが、正解の解答のみで解説が無かったので、今一つ、過去問を検証する動機づけが弱かったように思います。この過去問集を読むと(一度自分で解いてみるのが理想だが)、どうしてそのような答えになるのか納得することが出来、作問者の意図を嗅ぎ取るセンスのようなものが身につくのではないかと思います。

『ビジネス・キャリア検定試験標準テキスト 』.JPG そのうえで、(本書にすべての過去問が出ているわけではないので)その他の過去問をウェブサイトでチェックすれば、試験対策効果としては大きいと思います。もちろん、2級・3級についてはそれぞれ公式テキストがあるので、学習効果全体を向上させるためにはテキストの読み込みも欠かせないと思いますが、ほとんどの公的資格試験に当て嵌まることですが、より確実に合格ライン(当検定の場合は6割以上の正答率)を確保しようとするならば、過去問をやらない手はないと思われます。

 このように、活用すればしただけ試験で有利になるかと思いますが、ただ試験に合格するためというだけでなく、自らの人事的な知識・センスをチェックし、それをより一層磨きたいと思っている人にもお薦めです。

ビジネス・キャリア検定試験標準テキスト 人事・人材開発2・3級

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