【2782】 ◎ ジェームズ・M・クーゼス/バリー・Z・ポズナー (関 美和:訳) 『リーダーシップ・チャレンジ[原書第五版] (2014/05 海と月社) ★★★★☆

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「模範的リーダーシップの5つの実践」を示す。豊富なケーススタディにより啓発される。

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リーダーシップ・チャレンジ[原書第五版]』['14年]/The Leadership Challenge: How to Make Extraordinary Things Happen in Organizations (J-B Leadership Challenge: Kouzes/Posner)(第6版,2017)/『リーダーシップ・チャレンジ』['10年]
James M. Kouzes, Barry Z. Posner
James M. Kouzes,  Barry Z. Posner.jpg 本書は、1987年に初版が刊行され全世界で200万部を超えて読み継がれている本であり、著者らは1980年代のはじめから、数千もの「自己最高のリーダーシップ体験」を聞き集め分析したといいます。今回の第5版も100を超すケーススタディを盛り込み、今日のリーダーが直面する課題にも応えるものになっているとのことです(原著は何年かごとに改版されていて既に2017年に第6版が出されている)。

 1章では、リーダーシップの基本原則を示しています。非凡なことを成し遂げるリーダーは例外なく「模範的リーダーシップの5つの実践」を行っており、それは、●模範となる、●共通のビジョンを呼び起こす、●プロセスに挑戦する、●人々を行動にかりたてる、●心から励ます、の5つであるとしています。また、一握りの偉大なリーダーが人々を高みに導くという考えは、明らかに間違っているし、リーダーが組織の規模や種類や経済環境によって生まれると考えるのも間違いであって、実のところ、リーダーシップとは誰にでも実践できるスキルと能力の組み合わせであるとしています。そして、ついていきたいリーダーに共通する4つの特質として、●正直である、●先見の明がある、●仕事ができる、●やる気にさせる、が挙げられるが、これらは、先に挙げた「模範的リーダーシップの5つの実践」と表裏一体であるとしています。そのうえで、以下の章で「リーダーシップの5つの実践と10の原則」をそれぞれ解説しています。

 2章と3章では、「模範となる」ための原則と行動を示しており、それは「価値観を明らかにする」ことと「手本を示す」こと、つまり「①自分の言葉で語り、共通の理想を確認することで、価値観を明らかにする」ことと、「②共通の価値観に従って行動することで、手本を示す」ことであるとしています。

 4章と5章では、「共通のビジョンを呼び起こす」ための原則と行動を示しており、それは「未来を描く」ことと「人々を引き入れる」こと、つまり「③心踊るような崇高な可能性を想像し、未来を描く」ことと、「④共通の夢に訴えて、人々を引き入れる」ことであるとしています。

 6章と7章では、「プロセスに挑戦する」ための原則と行動を示しており、それは「チャンスを模索する」ことと「実験しながらリスクをとる」こと、つまり「⑤自発的に行動し、革新的な改善策を外部に求めることで、チャンスを模索する」ことと、「⑥小さな勝利を積み重ね、経験から学ぶことで、実験しながらリスクをとる」ことであるとしています。

 8章と9章では、「人々を行動にかりたてる」ための原則と行動を示しており、それは「協働を育む」ことと「力を与える」こと、つまり「⑦信頼を築き、絆を強めることで協働を育む」ことと、「⑧意思決定の権限を与えることで、人々の能力を高める」ことであるとしています。

 10章と11章では、「心から励ます」ための原則と行動を示しており、それは「貢献を認める」ことと「価値と勝利を讃える」こと、つまり「⑨卓越した成果を褒め、貢献を認める」ことと、「⑩共同体精神をつくりだし、その価値と勝利を讃える」ことであるとしています。

 終章の12章では、誰もがすばらしいリーダーになれるとし、そのためには自分の重要性を知ること、そして何よりもリーダーシップを実践することが大切であるとしています。また、リーダーは常に謙虚で人間らしくあるべきであり、リーダーシップとは頭で考えるものではなく、心で感じるものであるとしています。

 「世界で最も読まれているリーダーシップのテキスト」とも言われ、構成上非常にかっちり纏まっているようにも見えますが、体系的な理論書と言うよりは、リーダーのための啓発書であるとともに、実践的ガイドブックであると言ってよいかと思います。そのことは、著者ら自身がイントロで、まず1章を読んだならば、その先はどの順番で読んでも構わないと述べていることにも表れているかと思います。但し、調査研究から生まれた本であると著者らが自負する通り、豊富なケーススタディはいずれもシズル感に溢れ、啓発度が高いものであり、「模範的リーダーシップの5つの実践」を説得力のあるものとしているように思いました。前向きのリーダーにお薦めしたい本です。

【2203】 ○ ジャック・コヴァート/トッド・サッターステン (庭田よう子:訳) 『アメリカCEOのベストビジネス書100』 (2009/11 講談社)


《読書MEMO》
◇模範的リーダーシップの5つの実践と10の実践
●模範となる
 ①自分の言葉で語り、共通の理想を確認することで、価値観を明らかにする
 ②共通の価値観に従って行動することで、手本を示す
●共通のビジョンを呼び起こす
 ③心踊るような崇高な可能性を想像し、未来を描く
 ④共通の夢に訴えて、人々を引き入れる
●プロセスに挑戦する
 ⑤自発的に行動し、革新的な改善策を外部に求めることで、チャンスを模索する
 ⑥小さな勝利を積み重ね、経験から学ぶことで、実験しながらリスクをとる
●人々を行動にかりたてる
 ⑦信頼を築き、絆を強めることで協働を育む
 ⑧意思決定の権限を与えることで、人々の能力を高める
●心から励ます
 ⑨卓越した成果を褒め、貢献を認める
 ⑩共同体精神をつくりだし、その価値と勝利を讃える

           



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