【2751】 ◎ ライル・M・スペンサー/シグネ・M・スペンサー (梅津祐良/成田 攻/横山哲夫:訳) 『コンピテンシー・マネジメントの展開―導入・構築・活用』 (2001/12 生産性出版) 《コンピテンシー・マネジメントの展開(完訳版)』 (2011/12 生産性出版)》 ★★★★☆

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コンピテンシー・モデルを作成するような立場になれば、必読書としてトップにくる本。

コンピテンシーマネジメントの展開.gifコンピテンシー・マネジメントの展開1_3006.JPGコンピテンシー・マネジメントの展開1.jpg  コンピテンシー・マネジメントの展開 完訳版.jpg
コンピテンシー・マネジメントの展開―導入・構築・活用』[701年]/『コンピテンシー・マネジメントの展開(完訳版)』['11年]

 本書は、コンピテンシー・モデルについて、コンピテンシーとは何か、どのような内容が含まれるか、各職務に適切なコンピテンシー・モデルをどのように導入するかなどを具体的に提示した基本書です。

 第Ⅰ部では、産業・組織心理学におけるコンピテンシー追求の歴史を紹介し(第1章)(この第1章は、コンピテンシーの概念の提唱者であるデイビッド・マクレランドによるもので、彼が1973年に「インテリジェンスではなくコンピテンシーを評価する:Testing for Competence rather than~~ Intelligence」という論文を書いた経緯が書かれている)、さらに「コンピテンー」とは何かが定義されています(第2章)。

 第Ⅱ部では、コンピテンシーの測定尺度を定義し(第3章)、中間、上位層レベルの職務を調査した研究から発見された、平均的なパフォーマーから卓越したパフォーマーを峻別する20のコンピテンシーについて、達成とアクション(第4章)、支援と人的サービス(第5章)、インパクトと影響力(第6章)。マネジメント・コンピテンシー(第7章)、認知コンピテンシー(第8章)、個人の効果性に関わるコンピテンシー(第9章)の6群に分けて、一般的なコンピテンシー・ディクショナリーを紹介しています。

 第Ⅲ部では、コンピテンシー研究をデザインする際の指針を示しています(第10章)。さらに、行動結果面接(BEI)の実施(第11章)と、コンピテンシー・モデルの構築に向けてのデータ分析(第12章)について説明しています。実際にこれらの方法を実施するためには訓練と実習が要求されますが、本書ではそこまでは触れず、この方法がある状況でどれだけ適切であるかを決める際に役立つ指針を提供しています。

 第Ⅳ部では、それぞれの職種での成功を予見するコンピテンシーに関する発見を紹介しています。ここでは、技術職および専門職(第13章)、セールス職(第14章)、支援・人的サービスの従事者(第15章)、管理者(第16章)の各職種についての、一般的コンピテンシー・モデルが紹介されています。

 第Ⅴ部では、人材マネジメントに対するコンピテンシー・データの活用について、採用・配属・定着・昇進・評価・選考(第17章)、パフォーマンス・マネジメント(第18章)、後継者育成計画(第19章)、能力開発とキャリアパス(第20章)、報酬(コンピテンシー・ベース・ペイ)(第21章)のそれぞれについて紹介し、さらに、コンピテンシー・ベースの人事管理(HRM)の将来の方向性について述べています。

 コンピテンシーに関する研究を整理し、詳細なコンピテンシー・ディクショナリーを提示している本であり、コンピテンシー・モデルやコンピテンシー・マネジメントの議論をする際には、この本で提示されているコンピテンシー・ディクショナリーをベースにすることが多いのではないでしょうか。さらに、この本では、コンピテンシー・モデルの開発の方法論についても詳しく議論されており、コンピテンシー・モデルの活用方法についても詳しく述べられていいます。要約すれば、この本1冊あれば、コンピテンシーマネジメント(コンピテンシー・ディクショナリーの開発・活用)に関する一通りの知識を身につけることのできる本であり、仮にコンピテンシー・モデルを作成するような立場になれば、本書は必読書としてトップに位置するかと思います。

 原著"Competence at work"(1993)と比較すると第17章・第23章・第24章の3章分、丸々省かれています。そのことは訳者前書きで予め断られていますが、原著者らが選んだ21のコンピテンシーというのが訳書では20になっているのが、割愛された章とは関係が無いはずはないだけに、ちょっと気に掛かりました。やはり原著もちょっとだけでも見た方がいいのかと思ったら、2011年に完訳版が刊行されました。

【2201】 ○ グローバルタスクフォース 『あらすじで読む 世界のビジネス名著』 (2004/07 総合法令)
【2790】○ グローバルタスクフォース 『トップMBAの必読文献―ビジネススクールの使用テキスト500冊』 (2009/11 東洋経済新報社)

《読書MEMO》
●目次
第1部 コンピテンシーの考え方(序に代えて(デイビッド・C・マクレランド)(コンピテンシーとは何か)
第2部 コンピテンシー・ディクショナリー(コンピテンシー・ディクショナリーの構築、達成とアクション ほか)
第3部 コンピテンシー・モデルの開発(コンピテンシー研究をデザインする、行動結果面接(BEI)の仕方 ほか)
第4部 研究結果の検討:一般コンピテンシー・モデル(技術者および専門職、セールス職 ほか)
第5部 コンピテンシー・ベースの応用(採用、配属、定着、昇進における評価と選考、パフォーマンス・マネジメント ほか)

    



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和田泰明

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