【2663】 ○ 関口 倫紀/竹内 規彦/井口 知栄 (編) 『国際人的資源管理 (ベーシック+)』 (2016/07 中央経済社) ★★★★

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「グローバル人材のHRMを初めて体系化」したテキスト。

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国際人的資源管理 (【ベーシック+】)』(2016/07 中央経済社)

 本書のまえがきによれば、これまでに国際人的資源管理について書かれた本の多くは、学究的な研究をベースにした学術書か、実務家をターゲットにした実務書のどちらかであり、例えば大学の授業などで、国際人的資源管理についての基本的概念や理論的枠組みを平易なかたちで解説するテキストがなかったとのことです。

 本書は、国際人的資源管理の基礎を身につけたい学生をターゲットとした入門テキストであるとともに、企業などで国際人的資源管理に取り組む実務家が、さまざまな実務の背景にある基本的な考え方や枠組みを押さえておく上で役立つテキストであることも狙いとしているとのことです。

 第Ⅰ部「基本フレームワーク」では、国際人的資源管理を全体的に俯瞰し、多国籍企業による国際人的資源管理の在り方についての重要な知識やフレームワークを概観しています。具体的には、国際経営の知識、人的資源管理一般に関する知識の獲得を踏まえ、国際人的資源管理特有の理論的枠組みが示され、また、世界の各地域での人的資源管理がどのような特徴を持っているのか国際比較しています。

 第Ⅱ部「国際的資源管理のサブシステム」では、第Ⅰ部における国際人的資源管理の全体的な俯瞰を踏まえた上で、国際人的資源管理を構成する各サブシステムについて解説されています。国際的な人材配置、人材育成、報酬、人事評価、労使関係の在り方について解説され、最後に、国境を越えて移動する海外派遣者のマネジメントについて書かれています。

 第Ⅲ部「スペシャル・トピックス」では、国際人的資源管理を経営戦略の視点から捉える理論的枠組みを紹介した後、近年の国際人的資源管理に特有なトピックスについて扱っています。具体的には、多国籍企業における使用言語・コミュニケーションの問題、国際的M&Aにおける人的資源管理、新興国発多国籍企業による人的資源管理の特徴を挙げ、最後に、日本企業の国際人的資源管理の状況を説明しています。

 テキストであるため、体系的に構成されている上に(帯には「グローバル人材のHRMを初めて体系化」とある)、各章の冒頭に学習ポイントやキーワードが整理されているとともに、章末には、さらに理解を深めるためにどのようなことを調べ、どのような議論したらよいか、さらに、どのような本に読み進めばよいかが挙げられており、参考文献も数多く列記されています。

 内容的には、例えば第Ⅰ部で言えば、、先に示したように、国際人的資源管理のフレームワークを示す前に人的資源管理のフレームワークを解説するなど、一般的な「人的資源管理」論と重なる部分もあり、学生はともかく、人事パーソンが本書を読む場合は、復習的な側面もあるかもしれません。一方で、本文やコラムの中で実際の企業事例も多く紹介しており、近年の国際人的資源管理のトレンドが網羅的に把握できるなど、人事パーソンが読んでも新たな知見が得られる本ではないかと思われます。



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和田泰明

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