【2584】 △ ジョゼ・ジョヴァンニ (原作:ジョゼ・ジョヴァンニ) 「ル・ジタン」 (75年/仏) (1976/04 東映洋画) ★★★ (△ ジョゼ・ジョヴァンニ 「ブーメランのように」 (76年/仏) (1976/12 東映洋画) ★★☆)

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元ギャングで死刑囚のジョゼ・ジョヴァンニ監督・脚本、ドロン主演の2作。懐かしいけれど...。

ル・ジタン 1975 ち.jpgル・ジタン vhs.jpg ブーメランのように es.jpg
「ル・ジタン」チラシ/ⅤHS 「ブーメランのように」チケット

ル・ジタン01.jpg "ジタン"の通り名で呼ばれる犯罪者ユーゴ・セナール(アラン・ドロン)は、ロマ族の血を引いているために世間から冷たい仕打ちを受けて生きてきた。3年前、仲間に暴力をふるった村の村長を殺害したために刑務所に収監されていたが、そこで知り合った銀行強盗のジョー(レナート・サルヴァトーリ)と共に脱獄し、その後は彼と共にいくつもの銀行を襲っていた。そんな彼らを追う警察のブロー警視(マルセル・ボズフィ)、暗黒街の大物のヤン(ポール・ムーリス)など、男たちの様々な思惑が交差する―。

ジョゼ・ジョヴァンニ José_Giovanni.JPG 1975年製作のジョゼ・ジョヴァンニ(1923-2004/享年80)監督作。ジョゼ・ジョヴァンニはフランスのセリ・ノワール小説の代表作家でもあり、自らも脱獄経験を持つそうです(かつてはギャングであり、少なくとも3件の強盗殺人に関与して死刑を宣告されるが、大統領恩赦を受けて死刑を免れている)。ジャック・ベッケル監督の「穴」('60年)やロベール・アンリコ監督の「冒険者たち」('67年)の原作者でもあり、この「ル・ジタン」も、原作と脚本を手掛けています(『気ちがいピエロ』という作品もあるが(原題は「Histoire De Fou(気ちがいの物語)」)、ジャン=リュック・ゴダール監督の「気狂いピエロ」('65年)の原作は、一般的にはライオネル・ホワイト著の『十一時の悪魔』であるとされている)。
José Giovanni

ル・ジタン40.jpeg 「ル・ジタン」('75年)は、アラン・ドロンが「ジタン」と呼ばれるロマ(以前はジプシーと言った)で、強盗で稼いで家族を養っているという設定で、初老の金庫破りのヤン共々警察に追われており、2人は最初無関係だったけれども、警察に追い詰められた状況で対峙して友情を感じ合い、但し、ヤンだけが捕まって、ジタンは逃げおうせるというもの。残されたジタンは...というこのパターンは、ジョゼ・ジョヴァンニの最初の監督作「生き残った者の掟」('66年/仏)以来繰り返されているようで、フランス版仁侠ヤクザ映画という感じでしょうか。

ル・ジタン50.jpg 家族を愛しながらも、お尋ね者であるがゆえに家族とは一緒におれないアラン・ドロンが渋いことは渋いですが、"渋い"と言うより"地味"という風に捉えられたのか、公開時は興行成績は振るわなかったようです。ヒゲのドロンについても好き嫌いが割れたのかもしれないし、何よりもストーリー的にやや盛り上がりに欠けるというのもあったかもしれません。しかしながら、長らくソフト化されない期間があり、こうした作品でも久しぶりに観ると悪くないように思えるのは、ある種ノスタルジー効果でしょうか(その効果を含れば星4つだが、それをやっていると昔観た古い映画の評価が皆高くなってしまうので、ここでの評価はそれを含めず星3つ)。

ブーメランのように tirasi.jpgブーメランのように 02.jpg 併映で観た「ブーメランのように」('76年)も、監督・脚本ともジョゼ・ジョヴァンニで、アラン・ドロン演じるかつてギャングで今は大会社の社長となっている男が、麻薬のせいで誤って警官を射殺した息子(ルイ・ジュリアン)を奪還するため、"ブーメランのように"侠骨を取り戻し、護送車を襲う―というもの。追い込まれるほどにギャングの猛々しさが剥き出しになる男は、息子を連れイタリアへ逃亡を図るが―。

ブーメランのように 40.jpg 父性愛をテーマとした作品で、元ギャングというところがジョゼ・ジョヴァンニ自身ともダブりますが、ダブっている分だけベタになった感じで、カルラ・グラヴィーナやシャルル・ヴァネルといった役者が出ているにもかかわらず全体に演出が薄っぺらく見えてしまうのが難でしょうか。まあ、とにかくアラン・ドロンが好きという人にとってはそんなことはどうでもいいのかもしれないけれど、個人的には、主人公の父性愛には今ひとつ感情移入できなかった記憶があります。

デビュー60周年記念53週連続 アラン・ドロンがいっぱい.jpg 今年['17年]1月からスターチャンネルで、アラン・ドロンのデビュー60周年を記念して「53週連続 アラン・ドロンがいっぱい」と題してアラン・ドロンの出演作を放映していますが、そうした中、本人は5月にAFP通信のインタビューで、2018年に公開予定の映画1本に出演してから引退する意向を表明しました。でも、個人的アラン・ドロン .jpg印象としては、もうとっくに引退したと思っていた...。因みに、「53週連続 アラン・ドロンがいっぱい」では、10月22日に「ル・ジタン」が初登場するようですが、「ブーメランのように」は放映予定が無いようです(人気圏外か。ジョゼ・ジョヴァンニ原作の「冒険者たち」は1月1日に登場している)。(と書いてしばらくしたら、10月22日に放映予定だった「ル・ジタン」が「ブーメランのように」に置き換わった。)

アラン・ドロン(朝日新聞デジタル)
     
ル・ジタン 1975.jpgル・ジタン02.jpg「ル・ジタン」●原題:LE GITAN●制作年:1975年●制作国:フランス●監督:ジョゼ・ジョヴァンニ●製作:レイモン・ダノン/アラン・ドロン●脚本:ジョゼ・ジョヴァンニ●撮影:ジャン=ジャック・タルベ●音楽:クロード・ボリング●原作:ジョゼ・ジョヴァンニ「ル・ジタン」●時間:103分●出演:アラン・ドロン/ポール・ムーリス/マルセル・ボズフィ/アニー・ジラル/レナート・サルヴァトーリ/ベルナール・ジロドー/モーリス・バリエ●日本公開:1976/04●配給:東映洋画●最初に観た場所:三鷹オスカー(79-04-15)(評価:★★★)●併映:「地下室のメロディー」(アンリ・ヴェルヌイユ)/「ブーメランのように」(ジョゼ・ジョヴァンニ)
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ブーメランのように dvd.jpgブーメランのように ド.jpg「ブーメランのように」●原題:COMME UN BOOMERANG●制作年:1976年●制作国:フランス●監督:ジョゼ・ジョヴァンニ●製作:レイモン・ダノン/アラン・ドロン●脚本:ジョゼ・ジョヴァンニ●撮影:ビクトール・ロドリゲ●音楽:ジョルジュ・ドルリュー●時間:103分●出演:アラン・ドロン/カルラ・グラヴィーナ/シャルル・ヴァネル/シュザンヌ・フロン/ルイ・ジュリアン●日本公開:1976/12●配給:東映洋画●最初に観た場所:三鷹オスカー(79-04-15)(評価:★★☆)●併映:「地下室のメロディー」(アンリ・ヴェルヌイユ)/「ル・ジタン」(ジョゼ・ジョヴァンニ)
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   柴田錬三郎:訳        ジョゼ・ジョヴァンニ原作  



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和田泰明

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This page contains a single entry by wada published on 2017年9月25日 00:00.

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