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「透明な生物」という切り口が面白い。写真が美しい。
『世界の美しい透明な生き物』['13年] 『世界の美しい透明な生き物 愛蔵ポケット版』['15年]
写真によるいろいろな生物図鑑がありますが、「透明な生物」という切り口が面白いと思いました。そして、まず何よりも、使われている写真のどれもが美しいのが本書の魅力です。「透明」ということはイコール「生きている」ということなのだなあと改めて思わされました。
「生物」と言うからには、動物は昆虫から微生物にまで及び、更には動物だけでなく植物も入ってくるわけで、そうした動植物のいろいろな取り合わせに新鮮味を覚えました。
透明と言えば、まずクラゲなどを想起しますが、クラゲは勿論のこと、それ以外にもタコやイカやナマコ、プランクトン、魚、カエル、更にはチョウなどの昆虫や花草類やキノコなどいった具合に、実に多種多様な「透明な生物」がいるのだなあと思わされました。
体系的に整理されていないとの批判もあるようですが、子どもや一般の大人が見て楽しんだり、生き物の世界に興味を抱いたりするうえではこのレベルでいいのではないでしょうか。
口上によれば、「世界で唯一の透明生物図鑑」であるとのことで、書店でもそうした謳い文句で紹介されていた記憶があります。それなりの反響はあったようで、今年['15年]7月には入手しやすい"愛蔵ポケット版"が刊行されています。ただ、サイズが小さくなっただけでなく、ページ数にして3分の1以上減っているようです(写真が一部割愛されたようだ)。解説の活字の大きさの問題などもありますが、出来ればそのままの内容での縮小版にして欲しかった気もします。