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採用活動の後ろ倒しへの対応も含め、入門書としてはオーソドックス。
『新卒採用の実務 (日経文庫)』 岡崎 仁美 就職みらい研究所所長
著者はリクルート社で『リクナビ』編集長などをを歴任し、現在は同社の「就職みらい研究所」所長ありで、本書は新卒採用に関する基本書と言ってよく、2016年卒業生から採用活動の後ろ倒しが決まったことにより採用戦略次第で獲得できる人材に大きく差が付くことになる可能性があるのを受け、自社をアピールし有能人材をいかに引きつけるか、募集・採用、トラブル対応など採用担当者が知っておくべき基本的常識を解説しています。
基本書であるがゆえに、企業内でも新卒採用に初めて携わる担当者や、中小・中堅企業でこれから新たに新卒採用を実施していこうという経営者・人事部長などのは特にお薦めできるかと思われます。
コンパクトながら、最近の新卒採用のトレンドもよく捉えていて、例えば募集に関しては、最近学生の利用率が高まっている「WEB説明会」などについて解説されているほか、最終章では、そうしたトレンドに沿った手法として、「インターンシップ」のやり方や「試職」といった方法、更には「SNS」などのツールの活用法も解説されています。
リクルート系でありながらやや地味な印象を受けるのは、「日経文庫」における"入門書"的な役割の部分を担っているためでしょうか。徒らに煽っている印象が無い分、信頼感が持てます。コンパクトにまとめた分、テーマごとの掘り下げは若干浅い面はありますが、入門書としてはオーソドックスであるように思います。
「2016年問題」(採用活動の後ろ倒し)への対応により特化した情報を収集したいのであれば、労務行政研究所編『こう変わる! 新卒採用の実務 (労政時報選書)』('14年12月)などへ読み進まれることをお勧めします。
《読書MEMO》
●目次
第1章 新卒採用マーケットを理解する
第2章 採用活動1―事前準備
第3章 採用活動2―学生を集める
第4章 採用活動3―選考
第5章 内定から入社後のフォロー
第6章 採用活動に関する法律を理解する
第7章 トレンドをつかみ、新しいツールを活用する