【2202】 ○ ダイヤモンド社 『世界で最も重要なビジネス書 (世界標準の知識 ザ・ビジネス)』 (2005/03 ダイヤモンド社 ) ★★★★

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紙質もレイアウトもいい。選本も要所を押さえていて、解説もこなれている。

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世界で最も重要なビジネス書 (世界標準の知識 ザ・ビジネス)』['05年/ダイヤモンド社] 『あらすじで読む 世界のビジネス名著』['04年/総合法令]
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 先に取り上げた『あらすじで読む 世界のビジネス名著』('04年/総合法令)が、全190ぺージ余りの中で世界のMBAカリキュラムでも必読テキストとなっているドラッカー、コトラー、ポーターなど、ビジネス書の名著とされる定番28冊を紹介したものであったのに対し、こちらは全350ページの中で、ビジネス名著77冊を、「思想と人間」「戦略と理論」「マネジメントと組織」の3部に分け、1冊あたり4ページから5ページを割いて紹介し紹介・解説しています。

 ダイヤモンド社編となっていますが、英国ブルームズベリー社(確か「ハリー・ポッター」シリーズの版元のはず)のオリジナルの文章にダイヤモンド社の編集者が類書紹介(エディターズ・チョイス)を追加したもので、取り上げている本は『国富論』(アダム・スミス)、『資本論」(マルクス)、『君主論』(マキャベリ)などの歴史的書物から、『人を動かす』(カーネギー)、『現代の経営』(ドラッカー)などの古典的ビジネス書、『ビジョナリー・カンパニー』(コリンズ)、『ザ・ゴール』(ゴールドラット)など比較的近年ものまで(と言っても、原著が刊行されて10年経っているのだが)幅広く、『五輪書』(宮本武蔵)などもラインアップされています。

 各解説は「GETTING STARTED」(主要テーマについてのイントロ)、「CONTRIBUTION」(ラーニングポイント)、「CONTEXT」(その本の影響や意義)で構成され、全編を通して読み物のように読め、また、そうして読んでいくと、一見拡散気味に思えたラインアップが自然と流れとして繋がってくるという印象でした。
 
 2段組みですが行間はゆったりしていてたいへん読み易く、デザインやレイアウトも凝っていて紙質も良く、保存版として手元に置いておくのにいいです。その上、気持ち良く読めるという印象で(このレイアウトと紙質は、少なくとも本書自体への読書欲は増進させる効果はある)、各冒頭の1ページにある書影はくっきりと大きく、また、著者略歴、翻訳・原著のリソース、内容を一言で表したキャッチフレーズ、難易度、概説なども同じページ内に纏められているので、何だかもう手元に本があるような気分にもなってしまいます。

 選本も要所を押さえているように思え、解説もよくこなれているため、個人的には、本書1冊を読んでそれなりに満足してしまった感も。今まで読んだことがある本の振り返りにもなったし、ある程度、"時代限定"的に評価の定まっている本(今それほどこぞって読むようなものでもない本)もあるし...と言うと、何だか全てを読み切れないことの負け惜しみみたいですが、こうした本があるということだけでも知っておくことの意味はあるのではないかと思います(教養とは、自分が何を知らないかを知っていることである、という説もあるし)。

《読書MEMO》
●紹介書籍
第1部 思想と人間
『IBMを世界的企業にしたワトソンJr.の言葉 (Eijipress business classics) 』
『HPウェイ - シリコンバレーの夜明け』 (日経ビジネス人文庫)
『新訳 君主論』 (中公文庫BIBLIO)
『[新訳]経験経済』
『経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上・下〉』 (岩波文庫)
『国富論』 (岩波文庫)
『雇用・利子および貨幣の一般理論』
『ザ チェンジ マスターズ―21世紀への企業変革者たち』
『産業文明における人間問題―オーソン実験とその展開』 (1967年)
『GMとともに』
『自然資本の経済―「成長の限界」を突破する新産業革命』
『資本論』
『スモール イズ ビューティフル』 (講談社学術文庫)
『セムラーイズム 全員参加の経営革命 (ソフトバンク文庫)
『組織のなかの人間―オーガニゼーション・マン』 (現代社会科学叢書)
『第三の波』 (中公文庫 M 178-3)
『断絶の時代―いま起こっていることの本質』
『人間性の心理学―モチベーションとパーソナリティ』
『ハーバード流交渉術』.jpgハーバード流交渉術』 (知的生きかた文庫)
『ビーイング・デジタル - ビットの時代』新装版
ピーターの法則.jpgピーターの法則 創造的無能のすすめ
『人を動かす』新装版
プロフェッショナルマネジャー ハロルド ジェニーン.jpgプロフェッショナルマネジャー
『ボーダレス・ワールド』
『MADE IN JAPAN(メイド・イン・ジャパン)』
『メガトレンド』
『20世紀の巨人事業家ヘンリー・フォード著作集』

第2部 戦略と理論
エクセレント・カンパニー_.jpgエクセレント・カンパニー
『企業価値評価 第4版 【上】、企業価値評価 第4版 【下】』
『企業生命力』
『企業戦略論』
企業の人間的側面.jpg企業の人間的側面―統合と自己統制による経営
『競争の戦略』
『国の競争優位〈上〉、国の競争優位〈下〉』
『ゲーム理論で勝つ経営 競争と協調のコーペティション戦略』 日経ビジネス人文庫
『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント』
『五輪書』 (岩波文庫)
『ザ・ゴール― 企業の究極の目的とは何か』
『シックスシグマ・ブレイクスルー戦略―高収益を生む経営品質をいかに築くか』
『シナリオ・プランニングの技法』 (Best solution)
『真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか』
『ストラテジック・マインド―変革期の企業戦略論』
『戦争論』〈上・下〉』 (岩波文庫)
『戦略計画 創造的破壊の時代』
『戦略サファリ―戦略マネジメント・ガイドブック』 (Best solution)
ビジョナリー・カンパニー1.jpg『戦略の原理―独創的なポジショニングが競争優位を生む』
『孫子』 (講談社学術文庫)
『地球市場時代の企業戦略―トランスナショナル・マネジメントの構築』
ビジョナリー・カンパニー―時代を超える生存の原則
『複雑系―科学革命の震源地・サンタフェ研究所の天才たち』 (新潮文庫)
『マーケティングの革新―未来戦略の新視点』
『マッキンゼー 経営の本質 意思と仕組み』

第3部 マネジメントと組織
1分間マネジャー.jpg1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!
『イノベーションのジレンマ―技術革新が巨大企業を滅ぼすとき』
科学的管理法.JPG[新訳]科学的管理法
期待される管理者像.jpg期待される管理者像―新・グリッド理論
新訳 経営者の役割_.jpg経営者の役割 (経営名著シリーズ 2)
『経営の行動科学』 (1984年)
『マックス・ウェーバー―経済と社会』     
ドラッカー名著集2.jpg現代の経営[上・下]
『コア・コンピタンス経営―未来への競争戦略』
最強組織の法則 - 原著1990.jpg最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か
産業ならびに一般の管理2.jpg産業ならびに一般の管理』 (1985年)
ディルバートの法則011.jpgディルバートの法則
『ジャパニーズ・マネジメント』(講談社文庫)
『組織行動の原理―動態的管理』
『組織は戦略に従う』
『知識構築企業』
『トヨタ生産方式―脱規模の経営をめざして』
『ナンバーワン企業の法則―勝者が選んだポジショニング』 (日経ビジネス人文庫)
『21世紀の経営リーダーシップ―グローバル企業の生き残り戦略』
パーキンソンの法則.jpgパーキンソンの法則』 (至誠堂選書)
『ビジネスマン価値逆転の時代―組織とライフスタイル創り直せ』
マネジャーの仕事.jpgマネジャーの仕事』
『リエンジニアリング革命―企業を根本から変える業務革新』 (日経ビジネス人文庫)
リーダーシップの王道.jpgリーダーシップの王道
『リーダーになる』[増補改訂版]

  

  
   

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