【2178】 ○ ジム・シャーマン 「ロッキー・ホラー・ショー」 (75年/英) (1978/02 20世紀フォックス) ★★★☆ (○ ローザ・フォン・ブラウンハイム 「ベルリンブルース」 (83年/西独) (1986/10 ユーロ・スぺース) ★★★★)

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観客参加型ムービー「ロッキー・ホラー・ショー」。同じくアナーキーな雰囲気を醸す「ベルリンブルース」。

ロッキー・ホラー・ショー チラシ.jpg THE ROCKY HORROR SHOW 1975.jpg   ベルリンブルース 英字.jpg Stadt der Verlorenen Seelen 0.jpg
ロッキー・ホラー・ショー [DVD]」ティム・カリー(左)/スーザン・サランドン(右手前) 「ベルリンブルース」STAD DER VERLORENEN SEELEN, BERLIN BLUES(CITY OF LOST SOULS)

THE ROCKY HORROR SHOW 1975.jpg  恩師スコット博士に婚約の報告に出かけた恋人同士のブラッド(バリー・ボストウィック)とジャネット(スーザン・サランドン)は、嵐の中で道に迷った末に山中で車がパンクしてしまい、電話を借りようと近くの古城を訪ねるが、そこでは奇怪なパーティーが開かれていた。城主フランクン・フルター(ティム・カリー)は変わった人物で、彼自身が作った人造人間、ブロンドで筋肉質の美男子「ロッキー」を披露する。そしてフルターとロッキーは、結婚するような演出でベッドのある部屋へと向かうが、ジャネットがロッキーの虜になってしまう。さらに、バイセクシュアルのフルターは、ジャネットとブラッドの両方と関係を持ってしまう―。

ロッキー・ホラー・ショー.jpg ジム・シャーマン監督の「ロッキー・ホラー・ショー」('75年/英)は、最初に名画座で観た時はロック・オペラってこんなのもあるのかという感じで(元々はロンドンで初演された劇場ミュージカル)、併映のロマン・ポランスキーの「ファントム・オブ・パラダイス」('74年/米)の方がミュージカル調の場面は少ないにも関わらずそれらしく感じられ、この作品はよく分らんという印象でした。

シネマライズd.JPG それが2度目に渋谷のシネマライズ渋谷(当時、地下1階にあったスクリーン)で観た時には、米国からシネセゾンが招聘したと思われるコスプレ軍団が来日していて(日本でもパフォーマンス参加者を募集した)、映画館の最前列で映画に合わせて踊ったり、紙吹雪や米を撒いたり、雨のシーンでは如雨露で水を撒いたりして観客も大ノリでした。その時初めて、ああ、これ、こうやってパーティ形式で観るものなんだと初めて知りました。本国でも公開当初は不評だったのですが、深夜興行されるようになって「観客体験型」ムービーとしてカルト化したようです。日本でもシネマライズ渋谷での上映期間中に自発的にパフォーマンスに参加する人がどんどん増えていったとのことですが、それ以前から、英字新聞にパブなどでの深夜興行の広告が出ていた記憶があります(今はAmazonでコスプレ衣裳が買える)。

ベルリンブルース 1.gif ベルリンにあるハンバベルリンブルース03.jpgーガー・ショップ「バーガー・クイーン」は、NYのハーレム出身ダンサーでトランスベイター(性転換者)のアンジー・スターダストが経営する店であり、類が友を呼んで世間のはみ出し者の米国人たちの溜まり場になっている。"バーガー・クイーン・ブルース"を歌うライラは、売春街から東ドイツへ渡って成功したパンク・スター、エロチックな空中ブランコ・ショウを見せるためにやって来たジュディスとパートナーのトロンは、アンジーの"スターダスト・ペンション"に棲むことになるが、隣部屋の売れない黒人ダンサーのゲイリーが魔術や妖術に凝っていて、自室に火をつけてしまう。ストリッパーのタラもトランスベイター(日本流に言えばニューハーフ)で、夜毎、違う男をベッドに連れ込んで同居人のロレッタを困らせる。「バーガー・クイーン」の店員ヨアキンも、ショービジネスのスターをめざす両性具有者(アンドロギュヌス)である―。

ベルリンブルース 0.jpg 「ベルリンブルース」('83年/西独)は、公開された時に「ロッキー・ホラー・ショー」の再来と言われた、西ドイツの異色監督ローザ・フォン・ブラウンハイムの1986年作品で、ドイツらしいアナーキーな雰囲気に満ちたカルト・ムービーですが、不快感とかは無く最後まで楽しめました(むしろ最後の大合唱は、マイノリティの人たちが誇り高く生き続けることを宣言しているようで感動させられた)。ブラウンハイム監督自身もホモセクシュアルであることを公言し、同性愛者や性的倒錯をテーマに撮りまくっていて、出演者たちも実在のベルリン在住アメリカ人グループで、実名で出ていて現実の仕事と同じ役どころを演じています(つまり皆、本人役で出ているということ)。

BAGDAD CAFE 2.jpg 後にパーシー・アドロン監督の「バグダッド・カフェ」('87年/西独)を観た時、ドイツから米国に旅行に来た女性が、様々な人々がいる多国籍風カフェの周辺に棲み込んでしまうという点で、この米国人がドイツのバーガー・ショップ付近に棲みつく「ベルリンブルース」と丁度真逆だなあと思ったことがありますが、「バグダッド・カフェ」も「バーガー・クイーン」ほどお下劣ではないですが、そこに暮らす人たちがショーみたいなことをやっていて、それが無国籍風と言うか、ややアナーキーな雰囲気も醸していました。
BAGDAD CAFE

 この作品「ベルリンブルース」が公開された時は、ライザ・ミネリの「キャバレー」('72年/米)のベルリン版とも言われましたが、もっとキッチュな感じのパンク系ミュージカル(仕立て)と言うか、雰囲気的にやはり「ロッキー・ホラー・ショー」に近いように思われます。

ロッキー・ホラー・ショー_1.jpgロッキー・ホラー・ショーs.jpgロッキー・ホラー・ショー (1976).jpg「ロッキー・ホラー・ショー」●原題:THE ROCKY HORROR SHOW●制作年:1975年●制作国:イギリス●監督:ジム・シャーマン●製作:作 マイケル・ホワイト●脚本:ジム・シャーマン/リチャード・オブライエン●撮影:ピーター・サシツキー●音楽:リチャード・ハートレイ●時間:99分●出演:ティム・カリー/バリー・ボストウィック/スーザン・サランドン/リチャード・オブライエン/パトリシア・クイン/ジョナサン・アダムス/ミート・ローフ/チャールズ・グレイ●日本公開:1978/02●配給:20世紀フォックス●最初に観た場所:五反田TOEIシネマ(83-02-06)●2回目:シネマライズ渋谷(地下1階)(88-07-17)(評価:★★★?)●併映(1回目):「ファントム・オブ・パラダイス」(ブライアン・デ・パルマ)
『ロッキー・ホラー・ショー』 1988リバイバル.jpg

シネマライズ2.jpgシネマライズ.bmpシナマライズ 地図.jpgシネマライズ渋谷1986年6月、渋谷 スペイン坂上「ライズビル」地下1階に1スクリーン(220席)でオープン。1996年、2階の飲食店となっていた場所に2スクリーン目を増設。「シネマライズBF館」「シネマライズシアター1(後のシネマライズ(2シネマライズ BF.jpgF))(303席)」になる。2004年、3スクリーン目、デジタル上映劇場「ライズX(38席)」を地下のバースペースに増設。地下1階スクリーン「(元)シネマライズ渋谷」2010年6月20日閉館、跡地はライブハウス「WWW」に(地下2階「ライズⅩ」2010年6月18日閉館、地上2階「シネマライズ」2016年1月7日閉館

シネマライズBF館(前・シネマライズ渋谷)
        
「ベルリンブルース」●原題:STAD DER VERLORENEN SEELEN, BERLIN BLUES(CITY OF LOST SOULS)●制ベルリンブルース vhs.jpgベルリンブルース 輸入.jpg作年:1983年●制作国:西ドイツ●監督・脚本・製作:ローザ・フォン・ブラウンハイム●撮影:シュテファン・ケスター●音楽:ホルガー・ミュンツァー/アレクサンダー・クロート●美術:インゲ・スティボルスキー●時間:91分●出演:レアンジー・スターダスト/ジェイン・カウンティ/ジュディス・フレックス/ロン・フォン・ハリウッド●日本公開:1986/10●配給:ユーロスぺース●最初に観た場所:渋谷・ユーロスペース(86-12-06)(評価:★★★★)ベルリン・ブルース [VHS]

《読書MEMO》
絶対に見たほうがいいカルト映画30選 コタク・ジャパン
1.『ロッキー・ホラー・ショー』
2.『ドニー・ダーコ』
3.『イレイザーヘッド』
4.『ゴーストハンターズ』
5.『ZOMBIO(ゾンバイオ)/死霊のしたたり』
6.『地球に落ちてきた男』
7.『裸のランチ』
8.『プライマー』
9.『ゼイリブ』
10.『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』
11.『レポマン』
12.『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』
13.『チェリー2000』
14.『ブラザー・フロム・アナザー・プラネット』
15.『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』
16.『死霊のはらわたll』
17.『バンデットQ』
18.『バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー 』
19.『スリザー』
20.『ダーク・スター』
21.『プラン9・フロム・アウタースペース』
22.『ハンガー』
23.『デス・レース2000年』
24.『Tales from the Hood』
25.『シャークトパス』
26.『Born in Flames』
27.『ロストボーイ』
28.『ウォリアーズ』
29.『トレマーズ』
30.『未来惑星ザルドス』

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