【2080】 ○ ピーター・デュフェル (原作:コリン・デクスター) 「主任警部モース(第7話)/ウッドストック行最終バス」 (88年/英) (1999/05 日本クラウン 【VHS】) ★★★☆

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原作シリーズ第1作のドラマ化。映像化作品は映像化作品としてそこそこ楽しめたといった感じ。

モース(第5話)/ウッドストック行最終バス dvd.jpg モース(第5話)/ウッドストック行最終バス 01.jpg     ウッドストック行最終バス 文庫.jpg ウッドストック行最終バス hpm.jpg
Inspector Morse: Last Bus to Woodstock [DVD] [Import]」Terrence Hardiman As Clive Palmer 「ウッドストック行最終バス (ハヤカワ・ミステリ文庫)」「ウッドストック行最終バス (1976年) (世界ミステリシリーズ)

モース(第5話)/ウッドストック行最終バス 原著.jpg 夕闇迫るオックスフォードで、なかなか来ないウッドストック行きのバスにしびれを切らして、2人の娘がヒッチハイクをすることに。その晩、ウッドストックの酒場の中庭で、2人の娘の1人シルビアが死体で見つかる。シルビアはその日、もう1人の娘とバス停でバスを待っていたのを目撃されていたのだが、バスに乗った形跡はなく、彼女は赤いクルマの何者かの誘いに乗ったようだ。また、彼女が持っていた封筒の宛先は、勤務先の秘書部長ジェニファー・コールビーになっていた。もう1人の娘は誰でどこに消えたのか、なぜ名乗り出ないのか? テレズ・バレイ警察のモース主任警部は、ルイス部長刑事とともに事件捜査に当たる―。

 原作『ウッドストック行最終バス』(原題:Last Bus to Woodstock)は、コリン・デクスターが1975年に発表した「モース主任警部」シリーズの長編第1作。英国ITVの「主任警部モース」シリーズの第7話として1988年に本国で放映され、日本では2001年5月にNHK-BS2で放映されていますが、その前に、1999年に日本語字幕付きVHSが発売されています。

 記念すべき原作シリーズの第1作ということもあってか、第5話の「キドリントンから消えた娘」のように原作と犯人を変えてしまうようなことはしてなかったようですが、真犯人が容疑者として浮かび上ってくるのは原作よりかなり後の方になっているのでは。原作を知っていれば、まだかまだかという感じですが、知らないと、第一発見者のジョンを皮切りに、さんざん怪しい人物が出てきて、モースがミスリードさせられた(と言うより犯人の見当がつかないまま)結構最後の方で突然新たな容疑者が浮かび上がってきたという感じではないでしょうか。でも、最終的にその人物が真犯人であると判るのが最後の最後になってというのは原作も同じだったように思います。

モース(第5話)/ウッドストック行最終バス 02.jpg 大学講師バーナードは大学の正教授を目指していて(その割には年齢を喰っている)、妻のマーガレットはその尻を叩いている感じでしたが、あまりに妻に言われ続けると、女子大生を誘惑して気晴らしをしたいという気になるのか(それとも単なるスケベ老人か)。夫がシルビアを轢き殺したと思い込んだマーガレットは、クルマのタイヤを破棄したりして(確かにシルビアをヒッチしたのはバーナードだったが、シルビアの事故死に殺人の疑念があることは報じられていなかったのか)懸命に証拠隠滅を図るけれども、これも夫のためと言うより、その地位を守るため。しかし、その頃には、最初の2人の娘の目撃者であるとともに、超人的記憶力を持つ推理好きお婆さんの証言で、クルマの持主は特定されていた...。

Inspector Morse:Last Bus to Woodstock [VHS].jpg 片や、シルビアが勤めていた会社の秘書部長ジェニファーは、若い女性たちを自宅に下宿させていて、大学教授に言い寄られた奥手の文学少女の悩みを聞いてあげたりもしながら、一方で自身は社長クライブ(テレンス・ハーディマン)と不倫関係にあり、社長に奥さんと別れるよう迫る様はやや強引だったなあ(もう、愛欲の権化という感じ)。原作ではジェニファーは、大学講師バーナードとその愛人の橋渡しもしていることになっています。なぜならば、その愛人というのが、やはりジェニファーのところに下宿している看護婦であり、その点は原作とこの映像化作品は同じ。犯人が誰かは知っていても、犯行動機がイマイチ記憶に無かったのは、ある種衝動的とも言える殺人だったからかもしれません。

 これも原作を読んでかなりの年月を経ているため、映像化作品は映像化作品としてそこそこ楽しめたといった感じでしょうか。このシリーズ、原作者コリン・デクスター自身が毎回登場しているそうですが、いつもどこに出ているのか不明なんだけど、今回はパブの客の一人(チェックのセーターを着ている)として出ていたのが判りました。
Inspector Morse: Last Bus to Woodstock [VHS] [Import]
    
モース第9話/最後の敵 dvd 2011.jpg「主任警部モース(第7話)/ウッドストック行最終バス」●原題:INSPECTOR MORSE:LAST BUS TO WOODSTOCK●制作年:1988年●制作国:イギリス●本国放映:1988/03/22●監督:ピーター・デュフェル●脚本:マイケル・ウィッルコックス●原作:コリン・デクスター●時間:104分●出演:ジョン・ソウ/ケヴィン・ウェイトリー/アンソニー・ベイト/テレンス・ハーディマン/ファビア・ドレイク/ジル・ベイカー●VHS発売:1999/05●発売元:日本クラウン●日本放映:2001/05(NHK-BS2)(評価:★★★☆)

"Inspector Morse Set Three: The Last Enemy [DVD] [Import]"(2011)
(Last Bus to Woodstock /Ghost in the Machine /The Last Enemy)

《読書MEMO》
●モース警部シリーズ(原作発表順)
 ・ウッドストック行最終バス Last Bus To Woodstock
 ・キドリントンから消えた娘 Last Seen Wearing
 ・ニコラス・クインの静かな世界 The Silent World of Nicholas Quinn
 ・死者たちの礼拝 Service of all the Dead (1979年CWA「シルバー・ダガー賞」受賞)
 ・ジェリコ街の女 The Dead of Jericho (1981年CWA「シルバー・ダガー賞」受賞)
 ・謎まで三マイル The Riddle of the Third Mile
 ・別館三号室の男 The Secret of Annexe 3
 ・オックスフォード運河の殺人 The Wench is Dead (1989年CWA「ゴールド・ダガー賞」受賞)
 ・消えた装身具 The Jewel That was Ours
 ・森を抜ける道 The Way Through the Woods(1992年CWA「ゴールド・ダガー賞」受賞)
 ・カインの娘たち The Daughters of Cain
 ・死はわが隣人 Death is Now My Neighbour
 ・悔恨の日 The Remorseful Day

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