【2075】 ○ レニー・ライ 「バーナビー警部(第47話)/消えないセピア色」 (06年/英) (2010/04 AXNミステリー) ★★★★

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面白かった。まともに見える人が犯人に違いないと思いつつつも、やはり騙されてしまう。

第47話「消えないセピア色」dvd.jpg 第47話「消えないセピア色」04.jpg  MIDSOMER MURDERS 11.jpg   第47話「消えないセピア色」バーナビー夫妻.jpg
MIDSOMER MURDERS. DOWN AMONG THE DEAD MEN  「Midsomer Murders Set 11 [DVD] [Import]」(The House in the Woods/Dead Letters/Vixen's Run/Down Among the Dead Men(消えないセピア色))

第47話「消えないセピア色」店主.jpg 役所の給与係バレットが散弾銃で殺される。バーナビーは、彼の部屋にあったオークションの切り抜きの絵の持ち主であるパブ店主ジャックに事情を聞きに行く。店主はバレットを「誰にでも好かれる男」と話すが、パブで働き、バレットの家で掃除の仕事もしていたルビーは「最低の男」だと言う。店主は、父親のものだった絵を、相続税を逃れるため売却しようとしたのを、それを知ったバレットに脅迫されていたのだった。バレットはその他にも、問題児を9人引き取って育てた地元の名士ウェーバリーを、その内の一人と密通していたというデマを流すとして脅し、石油採掘をしているというフロリアン夫妻についても脅迫ネタを探していたらしい。また、彼ら全員の家の掃除の仕事をしていたルビーも盗癖を知られて脅され、フロリアン夫妻についての情報を取るようバレットに指示されていた。バレットは夫妻が別荘を持つフェナコム湾にある魚屋のレシートを持っていたが、バーナビーが魚屋を訪ねると、店主ピーターは以前に香港で警官をしていた人物で、捜査にも協力的だった。フロリアン夫妻はよく沖の岩礁付近に出かけたが、そこには沈没船があるという噂があった―。

第47話「消えないセピア色」別荘.png第47話「消えないセピア色」03.jpg 面白かったです。今回も登場人物は皆怪しげ。見るからに怪しげな人物は犯人ではないというのがパターンになっているようで、そのことを念頭に置きつつも(つまり、まともに見える人が犯人に違いないと思って観つつつも)、やはり騙されてしまいます。と言っても、今回のケースなどは、犯行動機が最後の最後にならないと分からないから無理もないかも。海外での昔の出来事を巡る復讐劇でした。

 バーナビーも今回は、わざとではなく明らかな誤認逮捕をしてしまったわけで、一件落着したかのように思えて何となくスッキリしないところへジョーンズの言葉でやっと閃いた...(冷たい海の水で目が覚めた?)。

 考えてみれば、事件解決に幾つかの偶然が働いていて、例えば、ピーターに「ガソリンスタンドのレシートを取って来い」と言われたルビーが間違って魚屋のレシートを取って来たのもその1つであるし、ピーターの奥さんのキャロルがたまたま好意でジョイスにウサギ肉を贈ったのもそうです(ウサギ料理の中から散弾が出てきたことをバーナビーが思い出したことで、ジョイスとカーリーは残飯漁りをしなければならなくなったが、散弾は見つかり、それが決定的な犯行証拠になった)。

Down Among the Dead Men.jpg お宝探しの夫婦は夫婦で、殺人事件解決後はお宝の隠し場所を追及されてシラを切り通すも、ジョーンズが誤ってペットボトルを倒したことから井戸の存在が明らかになり...と、ジョーンズは推理ではバーナビーの足元にも及ばないものの、"本人の能力以外"のところで意図せず事件の解決に貢献しているなあ(スコットから交替して才気煥発ぶりが目立ったため、ここらでほどほどに調整している?)。

 小説や映画などから、沈没船のお宝は引き揚げた人のものになるというイメージがありますが、日本では1年間所有者が名乗り出なければ発見者のものになるものの、ヨーロッパなどでは最初から国のものと規定しているケースが殆どで、それを黙って自分のものにしてしまうと窃盗罪になるようです。所有権争いを避けるのが狙いのようですが、沈没船が近海にそれだけ数多くあり、徒に射幸心を煽らないようにするというのもあるのでは。

第47話「消えないセピア色」マッケンジー.jpg ルビーを演じたジュリア・マッケンジーは、2009年からグラナダ版「アガサ・クリスティー ミス・マープル」でミス・マープルを演じることになりますが、ここではパブの手伝いと掃除人の仕事の掛け持ちと忙しく、その上、パブの店主の内縁の妻みたいになっていて、家から鉄砲が出てきて、互いに相手が犯人ではないかと疑心暗鬼になり、"夫婦喧嘩"の末に鉄砲が暴発、自ら警察を招き入れることになって、窃盗癖も白状するという、ミス・マープルとは全く異なる役どころを演じているのが興味深かったです(でも、どことなく品のある感じ)。

Martin Barrett's house in 'Down Among the Dead Men'.jpg
「バーナビー警部(第47話)/消えないセピア色」●原題:MIDSOMER MURDERS:DOWN AMONG THE DEAD MEN●制作年:2006年●制作国:イギリス●本国上映:2006/03/12●監督:レニー・ライ●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:ダグラス・ワトキンソン●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジェイソン・ヒューズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/ジュリア・マッケンジー●日本放映:2010/04●放映局:AXNミステリー(評価:★★★★)
Martin Barrett's house in 'Down Among the Dead Men'

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