【2065】 ○ ピーター・スミス 「バーナビー警部(第36話)/止まらない凶行」 (04年/英) (2010/02 AXNミステリー) ★★★☆

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霊媒師の宣託の虚実皮膜は上手いと思ったが、犯人像がややチンケな印象も。

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"Midsomer Murders Set 9 [DVD] [Import]" Things That Go Bump in the Night(止まらない凶行)/Dead in the Water/Orchis Fatalis/Bantling Boy
止まらない凶行 01.jpg ミッドサマーの小村フレッチャーズ・クロスでは、霊媒師ロゼッタによる降霊会が大人気で、愛する人に先立たれた人々が、死者のメッセージを聞くために集まっていた。最近引っ越してきたエリザベスと親しくなったジョイスが、彼女に誘われてその降霊会に行った晩、ロゼッタは「誰かに不幸なことが起こる」と警告、その晩に葬儀屋パトリック・ペニマンが霊安室で殺され、次にはエリザベスが自宅前でジョイスとの別れ際に、更に降霊会を手伝う男ジョンがフレッチャーズ・クロス駅付近の線路上で殺される―。

止まらない凶行 3.jpg 犯人が全然読めなかったなあ。葬儀屋の妻ジャネットが両手首を切られた夫の死体を発見して驚いて助けを求めに外に飛び出すシーンは、推理小説でいうところの"叙述トリック"に当たるのではないかな。これに完全に騙されてしまったけれど、やや"掟破り"の印象も受けました("演技"がプロの役者並みに上手過ぎ。若干の不自然さが欲しかった―と言うか、誰も見てはいないところでどうして演技する必要がある?)。

止まらない凶行 2.jpg クリスティ作品などにも出てくる降霊会と、ロゼッタに馮衣したヴィクトリア朝時代の少女の霊(サラ・ウォーターズの『半身』を想起した)、「きかんしゃトーマス」みたいな鉄道列車の保守並びに止まらない凶行 天然石屋.jpgフレッチャーズ・クロス駅の再開に携わる人々といった英国ならではの味付け。霊媒師の他にも「天然石屋」とか、いろいろ出てきます(これも半分占い師みたいなものだなあ)。ロゼッタが亡くなった人の家族しか知らないような身体的特徴を言い当てることが出来たのは、"葬儀屋情報"だったわけかあ、ナルホド(土葬だとエンバーミングするわけか。火葬でも湯灌するけれど)。

「天然石屋」のセット[上]/Long Crendon Manor(降霊会会場)[下]
止まらない凶行 1.jpg止まらない凶行 降霊会.png 殺害されたエリザベスは、冷やかしで降霊会に出ていたわけではなく、ロゼッタのインチキを暴くためだった(それと盗品の謎も追及しようとしていた)―ロゼッタが宣託した「復讐の天使」は、ジョイスが警部を妻に持つ自分のことかと勘違いしたようですが、実はエリザベスのことだったと考えると、ヴィクトリア朝時代の少女の霊は本物だった? 常識的に考えれば偶然だとは思いますが、この辺りの虚実皮膜は上手いと思いました。

 ただ、不倫と欲得のための犯行動機で、ジャネットと共犯の不倫相手も色呆け老人となると、沢山殺した割には、犯人像がややチンケな印象も(スコットの単純な尋問テクニックにも嵌ってしまったし)。あの笑い方からして、ある意味2人とも"壊れた"人だったなあ。

 止まらない凶行 降霊会 bb.jpg ミッドサマーでは村ごとにブラスバンドがあって、「バーナビーのテーマ」が定番曲なのか?

「バーナビー警部(第36話)/止まらない凶行」●原題:MIDSOMER MURDERS:THINGS THAT GO BUMP IN THE NIGHT●制作年:2004年●制作国:イギリス●本国上映:2004/10/10●監督:ピーター・スミス●製作:ブライアン・トゥルー=メイ●脚本:ピーター・ハモンド●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ジョン・ホプキンズ/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード●日本放映:2010/02●放映局:AXNミステリー(評価:★★★☆)

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