【2010】 ○ モイラ・アームストロング 「バーナビー警部(第9話)/報いの一撃(流浪の馬車がやって来る)」 (99年/英) (2002/07 NHK-BS2) ★★★☆

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次から次へと意外な事実が明らかになり、ラストも意外だった。

報いの一撃 輸入盤.jpg報いの一撃 dvd.jpg 「報いの一撃」00.jpg
バーナビー警部~報いの一撃~ [DVD]」"Midsomer Murders" Blood Will Out(報いの一撃)

「報いの一撃」0.jpg 意地の悪い判事へクター(ポール・ジェッソン)は、 村にやって来たオーヴィル(ケビン・マクナリー)をリーダーとするロマ達(ジプシー)を追い出そうと、知り合いの軍人まで呼んでしまうような陰険な男だった。一旦はバーナビー警部が仲裁に入り収まるが、その後、ロマ達が開催した祭りの最中に、へクターが猟銃で撃たれて死亡する―。

「報いの一撃」02.jpg トム・バーナビー警部のシリーズの第9話「報いの一撃」(原題:Blood Will Out)の本国放映は1999年9月、日本では2002年7月にNHK‐BS2にて前後編(第17話・第18話)に分けて初放映され、その時のタイトルは「流浪の馬車がやって来る」でした。

「報いの一撃」01.jpg 馬車とトレーラーで移動する現代版ジプシーの描写が興味深かった作品ですが、ダグラス・ワトキンソンの脚本はかなり複雑なストーリーとなっています。元将校で今は判事のへクターと、元軍人で今はジプシーを率いるオーヴィルがかつて因縁事があった戦争というのは、フォークランド紛争(1982年)だったのだなあと。オーヴィルを見ただけで、彼に"想いの人"がいると分かってしまうバーナビーは、ややスゴ過ぎ。

 へクターが村の誰からも嫌われているので、容疑者には事欠きませんが、それに、へクターらと夫婦取り替え婚をした男が絡み、更に、祖父・兄と生活を共にしているジプシーの娘が、村の青年に恋していて、一方で兄のことも思っているという、「ロミオとジュリエット」的な話も絡みます。

「報いの一撃」3.jpg 次から次へと意外な事実が明らかになり、ラストも意外でした(もう、これは推理不能)。そんな中、ジプシー兄妹の兄が最後に妹にみせる思いやりが泣け、家族からフルーツ・ダイエットを強いられ、家族の依頼を受けた部下のトロ報いの一撃 ロッジ.jpgイに間食しないか監視されているバーナビーがユーモラスです。
 このように感動あり、笑いありなんだけれど、難を言えば、第2の殺人がとってつけたようで、犯人の動機がやや弱い点でしょうか。

 それにしても、バーナビーの家族って、いつもこんな凄惨な事件の話ばかりしているのだなあ。まあ、事件の進展状況は地元の新聞にも出ているわけだし、変に黙っていると逆に互いに気詰まりしてしまうのだろなあ。

Lodge seen in 'Blood Will Out'

 因みに、近年の日本においては、「ジプシー」は差別用語、放送禁止用語と見做され、「ロマ」と言い換えられる傾向にあるようですが、「ジプシー」には「ロマ」以外の民族も含まれているので、全ての場合においてそのように言い換えてしまうと、場合によっては正確性を欠くか、他のジプシー民族を無視することになってしまうそうです。

「バーナビー警部(第9話)/報いの一撃(流浪の馬車がやって来る)」●原題:MIDSOMER MURDERS:BLOOD WILL OUT●制作年:1999年●制作国:イギリス●本国上映:1999/09/12●監督:モイラ・アームストロング●脚本:ダグラス・ワトキンソン●撮影:グラハム・フレイク●時間:102分●出演:ジョン・ネトルズ/ダニエル・ケーシー/ジェーン・ワイマーク/ローラ・ハワード/バリー・ジャクソン/ポール・ジェッソン/リシア・ジョージ/ハニーサクル・ウィークス/ジョン・ダッティン/エリザベス・ガービー/ケビン・マクナリー/イアン・トンプソン/フィリダ・ロウ●日本放映:2002/07●放映局:NHK‐BS2(評価:★★★☆)

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