【2003】 ○ ピーター・ハモンド 「シャーロック・ホームズの冒険(第25話)/四人の署名」 (87年/英) (1988/03 NHK) ★★★☆

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ワトスンが婚約に至らないことを除き、原作に忠実。"モース"が出ていたことに後で気づいた。

シャーロック・ホームズの冒険(第25話)/四人の署名0.jpgシャーロック・ホームズの冒険(第25話)/四人の署名1.jpg 四人の署名0.jpg
シャーロック・ホームズの冒険 完全版 Vol.11 [DVD]
シャーロック・ホームズの冒険DVD BOOK vol.11 (宝島MOOK) (DVD付)」ジョン・ソウ(John Thaw)(上)、(左から)ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett)、ジェニー・シーグローブ(Jenny Seagrove)、エドワード・ハードウィック(Edward Hardwicke)

The Sign of Four (1987) Poster.jpg ホームズの元にメアリー・モースタン(ジェニー・シーグローブ)という若い女性が相談に訪れ、彼女の父親はインド英国軍の大尉だったが、帰国した際に消息を絶ち、その数年後から謎の人物から彼女に贈り物が届くようになって、そして今度は、その相手から直接会いたいとの連絡があったという。ホームズとワトスンは、メアリーに付添って、彼女の父親とインドで一緒だったショルトー少佐の息子サディアス(ロナルド・レイシー)を訪れ、そこで父親の死と秘密の財宝についての話を聞かされる。それによれば、サディアスの父ショルトー少佐はインドにいた時期に、友人のモースタン大尉と共にアグラの財宝を発見し、ショルトーは先に財宝を持ってイギリス本国に戻っていたが、約束していた財宝の分け前を要求してインドからやってきたモースタン大尉と口論になり、心臓発作を引き起こさせてしまう。せめてもの罪滅ぼしに、財宝の一部を娘の元に送るようにというショルトー少佐の遺言を守っていたというのが事の真相で、ショルトーはその後持病を悪化させ、謎の侵入者の影に怯えながら急死、遺骸の胸に、侵入者が現れたことを示す「四人の署名」の文字と、シーク教を象徴する4の意味の赤い印付きの紙片が残されていたという。そして今回、父が生前に隠し場所を話さなかった財宝の隠し場所を発見して、メアリに分け与えるために手紙で呼び出したのだという。ホームズ一行はショルトーの兄が住むノーウッドの屋敷へと向かうが、鍵のかかった部屋の中で、双子の兄(ロナルド・レイシー二役)の死体が発見され、サディアスは兄殺しの容疑をかけられ逮捕される。ホームズが犬のトービィの嗅覚を頼りに真犯人を追ってテムズ河畔に辿り着くと、貸し船屋の女主人が義足の奇妙な男に船を貸したとを言う。ホームズは船を発見するため、ベーカー街イレギュラーズをロンドンの街に放った―。

 英国グラナダTV(ITV)製作、ジェレミー・ブレット(Jeremy Brett、1933-1995)主演の「シャーロック・ホームズの冒険」(1984~1994、全41話)の第25話で、拡大スペシャル版として作られ、本国では1987年12月29日に放映、日本では第21話として1988年3月5日と12日に前後編に分けて放送されました。アーサー・コナン・ドイルの原作は、1890年に発表され、同年に単行本刊行されています(原題:The Sign of Four)。

 冒頭で、『緋色の研究』において事件の記録にロマンチックな要素を持ち込んだことをホームズに批判されるワトスン(エドワード・ハードウィック)など、細部において原作に忠実ですが、四人の署名1-2.jpg1点だけ大きな違いがあり、原作では最後ワトソンンはメアリーと婚約してめでたしめでたし、それをホームズが「絶対におめでとうとは言えないね」と皮肉るところ、この映像化作品では、彼女は事件解決後に去っていき、それを窓から見遣ったワトスンが「魅力的な女性だ」とポツリ漏らすと、ホームズは「気がつかなかったよ」と―(この遣り取りは、原作では、メアリーがベイカー街を最初に訪れ、帰った後にある)。以降、長編第2作にしてワトスンが婚約してしまった原作に対し、このシリーズでは、最後までワトスンはホームズの同居人でいます。

四人の署名1.jpg ジェニー・シーグローブ演じるメアリーは美しく、また、原作よりかなり気丈な印象。彼女の手に財宝が渡るかどうかがストーリーのカギとなりますが、ファッションから見て何だか原作よりも経済的に恵まれている生活を送っている印象もあり、これだったら、財宝がなくても大丈夫?

 最後、ボートによるチェイスがあって、アクション映画っぽい感じもありますが、これも原作通り。事件のカギを握シャーロックホームズ 長編「四人の署名」.jpgる義足の男ジョナサン・スモールが逮捕された後に事件の内容を自らホームズらへ語るのも原作と同じですが、このジョナサン・スモールを演じているのが、「主任警部モース」のジョン・ソウ(John Thaw、1942-2002)だとは、最初気づきませんでした。「主任警部モース」の第1話は、この年(1987年)の1月に英国で放映されています。
四人の署名 ジョン・ソウ.jpg
 ジェレミー・ブレットが心不全のため61歳で、ジョン・ソウが食道癌のため60歳でと、共に比較的早くに亡くなっているのが惜しまれます。因みに、ジェレミー・ブレット主演の「シャーロック・ホームズの冒険」は11年間(1984-94)で全41話、ジョン・ソウ主演の「主任警部モース」は13年間(1987-99)で全33話作られています。

シャーロック・ホームズの冒険.jpg「シャーロック・ホームズの冒険(第25話)/四人の署名」●原題:THE ADVENTURE OF SHERLOCK HOLMES: THE SIGN OF FOUR●制作年:1987年●制作国:イギリス●本国放映:1987/12/29●監督:ピーター・ハモンド●脚本:ジョン・ホークスワース●原作:アーサー・コナン・ドイル●時間:102分●出演:ジェレミー・ブレット/エドワード・ハードウィック/ロザリー・ウィリアムズ/ジェニー・シーグローブ(メアリー・モースタン)/ロナルド・レイシー(サディアス&バーソロミュー・ショルトー)/エムリス・ジェームズ(アセルニー・ジョーンズ警部)/キラン・シャー(トンガ)/ジョン・ソウ(ジョナサン・スモール)●日本放映:1988/3/5 (NHK)(評価:★★★☆)
「シャーロック・ホームズの冒険」THE ADVENTURE OF SHERLOCK HOLMES(英国グラナダ(ITV) 1984~1994) ○日本での放映チャネル:NHK(1985~1995)/AXNミステリー

●「シャーロック・ホームズの冒険」サブタイトル一覧とNHKでのシリーズ作放映年月日

●「シャーロック・ホームズの冒険」サブタイトル一覧(日本での放映順に変化のあった場合は()内にて)(Wikipedia
第1シリーズ/The Adventures of Sherlock Holmes
 第1話 ボヘミアの醜聞/A Scandal In Bohemia
 第2話 踊る人形/The Dancing Men
 第3話 海軍条約事件/The Naval Treaty
 第4話 美しき自転車乗り/The Solitary Cyclist
 第5話 まがった男/The Crooked Man
 第6話 まだらの紐/The Speckled Band
 第7話 青い紅玉/The Blue Carbuncle
第2シリーズ/The Adventures of Sherlock Holmes
 第8話 ぶなの木屋敷の怪/The Copper Beeches
 第9話 ギリシャ語通訳/The Greek Interpreter
 第10話 ノーウッドの建築業者/The Norwood Builder
 第11話 入院患者/The Resident Patient
 第12話 赤髪連盟/The Red-Headed League
 第13話 最後の事件/The Final Problem
第3シリーズ/The Return of Sherlock Holmes
 第14話 空き家の怪事件/The Empty House
 第15(18)話 修道院屋敷/The Abbey Grange
 第16(17)話 マスグレーブ家の儀式書/The Musgrave Ritual
 第17(16)話 第二の血痕/The Second Stain
 第18(19)話 もう一つの顔/The Man with the Twisted Lip
 第19(15)話 プライオリ・スクール/The Priory School
 第20話 六つのナポレオン/The Six Napoleons
第4シリーズ/The Return of Sherlock Holmes
 第21(23)話 悪魔の足/The Devil's Foot
 第22話 銀星号事件/Silver Blaze
 第23(24)話 ウィステリア荘/Wisteria Lodge
 第24(25)話 ブルース・パーティントン設計書/The Bruce-Partington Plans
 第25(21)話 四人の署名/The Sign of Four(2時間スペシャル:日本初回放送時は放映枠の都合で前後編)
 第26話 バスカビル家の犬/The Hound of the Baskervilles(2時間スペシャル:日本初回放映時は放映枠の都合で前後編)
第5シリーズ/The Casebook of Sherlock Holmes
 第27話 レディ・フランシスの失踪/The Disappearance of Lady Frances Carfax
 第28(29)話 ソア橋のなぞ/The Problem of Thor Bridge
 第29(28)話 ボスコム渓谷の惨劇/The Boscombe Valley Mystery
 第30(31)話 高名の依頼人/The Illustrious Client
 第31(30)話 ショスコム荘/Shoscombe Old Place
 第32話 這う人/The Creeping Man
2時間スペシャルシリーズ
 第33(34)話 犯人は二人/The Master Blackmailer
 第34(33)話 サセックスの吸血鬼/The Last Vampyre
 第35話 未婚の貴族/The Eligible Bachelor
第6シリーズ/The Memoirs of Sherlock Holmes
 第36話 三破風館/The Three Gables
 第37話 瀕死の探偵/The Dying Detective
 第38(40)話 金縁の鼻眼鏡/The Golden Pince-Nez
 第39(38)話 赤い輪/The Red Circle
 第40(41)話 マザランの宝石/The Mazarin Stone (with The Three Garridebs)
 第41(39)話 ボール箱/The Cardboard Box

●NHKでのシリーズ作放映年月日(# は日本での放映順)(シャーロック・ホームズの冒険 - 番組データ
NHK総合:1985/04/13~1985/09/21 [#01~#13] 土:21:45-22:30
NHK総合:1988/01/09~1988/03/12 [#14~#22] 土:
NHK総合:1989/01/14~1989/02/18 [#23~#28] 土:
NHK総合:1991/08/28~1992/01/05 [#29~#34] 水:
NHK総合:1994/07/02~1995/02/11 [#35~#40] 土:20:00-20:45

NHK[再]:1997/03/03,04,05,24,25,27 [#01~#06] 月~木:17:15-17:59
NHK[再]:1997/11/25~1998/03/05 [#01~#34] 月~木:17:15-17:59
NHK[再]:1998/05/15,1998/05/22 [#41~#46](3話) 金:25:00-27:15
NHK[再]:2002/02/25,2002/03/04 [#29,#30] 15:10-15:55
NHK[再]:2002/04/11,12 [#31,#32] 14:05~14:50
NHK[再]:2002/12/26~2003/03/13 [#01~#28,#33~#40] 月~金:14:05-14:50

NHK-BS2:2000/09/05~2001/03/27 [#01~#26] 火:23:00-23:45
NHK-BS2:2001/04/03~2001/07/31 [#27~#40] 火:23:00-23:45
NHK-BS2:2001/08/02,09,16 [SP] 木:21:00-22:45

【英ITV:1984/04/24~1994/05/11 [1st~7th]】

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This page contains a single entry by wada published on 2013年9月 1日 00:59.

【2002】 ○ 沼田 まほかる 『ユリゴコロ』 (2012/04 双葉社) ★★★☆ was the previous entry in this blog.

【2004】 ○ スティーヴ・ハミルトン (越前 敏弥:訳) 『解錠師』 (2011/12 ハヤカワ・ミステリ) ★★★★ is the next entry in this blog.

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