【1859】 △ 藤野 祐美 『上司は仕事を教えるな! (2012/04 PHPビジネス新書) ★★★

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そんなにスゴイ本かなあ。どちらかと言うと本で読むよりセミナーで聴くような内容。外資礼賛?

藤野 祐美 『上司は仕事を教えるな!』5.JPG 上司は仕事を教えるな4754.JPG上司は仕事を教えるな! (PHPビジネス新書)』['12年]

 全体の趣旨としては、上司は部下の仕事に口を挟むよりは、部下への精神的支援に注力せよということだと思いますが、タイプ別部下への支援方法なども書かれていて、部下を持つ人が、自分が部下と普段どう接しているかを振り返るにはいい本かも。ものすごく噛み砕いて書いてあるし。

 但し、理論書というより啓蒙書、更に言えば、管理職研修における部下コミュケーションに関する講義をそのまま本にした感じの本であり、啓発される要素も無きにしもあらずですが、こういう話は本で読むよりもセミナーで聴いた方がいいのかも。
 でも、Amazon.comのブックレヴューを見ると、10人が10人5つ星評価になっていました。個人的には、そんなに「目からウロコが...」というほどのスゴイ本かなあという印象です。

 まず「朝のあいさつ」から始めよう―なんて、やっている人は既にやっているし、やらない人はこの本を読んでもやらないんじゃないかなあ。外資系の企業って、ボスが朝から元気に「Good Morning!」って言ってくれるから素晴らしいわけ? 

 日本企業にはダメ上司がいっぱいいて、一方の外資は素晴らしい上司ばかりだったと、著者個人の経験に基づいて図式的に内外を対比させていて、かなりの外資礼賛ぶり。外資系企業でもいろいろあると思うけれど。

 スポーツ選手がこうした指導で力を伸ばしたといった話などのも、やはりどちらかと言うと「本」よりも「セミナー」向きではないかと。この類のネタ話には、それ自体さほど目新しさがあるわけでもありません。

 一つ、興味深かったのは、外資系の企業であからさまに部下をえこひいきする上司がいたと書いていることで、日々のランチも決まった一人の部下としかいかなかったということ。著者自身、"嫌い"のえこひいきはダメだけれど"好き"のえこひいきはオープンに見せてもよいとしていますが、外資系の場合、自分の後継者を育てないと自分自身が次のポジションに行けないということもあって、こうしたことは珍しいことではないのではないかな。周囲も皆、自分がボスになれば同じことをすると分っているし、不満はあってもその行為自体を理不尽だとは思っていない気がします。

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