【1679】 △ ジョン・C・マクスウェル (児島 修:訳) 『伸びる会社には必ず理想のリーダーがいる (2011/11 辰巳出版) ★★★

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トラディショナル・タイプの啓啓蒙書。自分自身は本書のあまり良い読者ではなかったかも。
 
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伸びる会社には必ず理想のリーダーがいる』(2011/11 辰巳出版)/『夢を実現する戦略ノート』/「戦う自分」をつくる13の成功戦略

 リーダーシップに関する啓蒙書で、著者のジョン・C・マクスウェル(John C. Maxwell)は全世界で200万人以上のリーダー育成に携わってきたリーダーシップ論の世界的権威で、世界の指導者・思想家を評価するサイトで「世界最高のリーダーシップ指導者」に選ばれたとのこと (参考:WORLD'S TOP 30 LEADERSHIP PROFESSIONAL'S for 2014。日本では、あんまりこうした格付け評価というのはやらないなあ)。

 日本でも多くの著作が翻訳されており、ここ何年かだけでも『統率者の哲学―リーダーシップ21の法則』('05年/アイシーメディックス)、『夢を実現する戦略ノート』(齋藤孝:訳、'05年/三笠書房)、『あなたがリーダーに生まれ変わるとき―リーダーシップの潜在能力を開発する』('06年/ダイヤモンド社)、『その他大勢を味方につける25の方法―成功を勝ち取る人間関係のつくり方』('06年/祥伝社)、『求心力―人を動かす10の鉄則』(齋藤孝:訳、'07年/三笠書房)、『すごい「考える力」!』(齋藤孝:訳、'08年/三笠書房(知的生き方文庫))、『「戦う自分」をつくる13の成功戦略』(渡邉美樹:訳、'09年/三笠書房)、『「人を動かす人」になるために知っておくべきこと』(渡邉美樹:訳、'10年/三笠書房)、『夢をかなえる10の質問にあなたは「YES」で答えられるか?』('11年/辰巳出版)、『励ましの言葉が人を驚くほど変える』('11年/扶桑社)などと、毎年のように刊行されています。

 これで全部ではないからスゴイね。不況時にはこうした本がウケルのでしょうか?
 齋藤孝氏や渡邉美樹氏が自分で丸々1冊を翻訳しているわけではないでしょうが、著者名より翻訳者名の方が大きな字で書かれているので、この人たちの執筆した本だと思った人もいるのではないかなあ。

 本書は、そうした日本において訳出されたものも含め、著者のこれまでの著作から著者自身がエッセイを130篇抜粋して、26週間の月曜から金曜まで毎週5日、それぞれ1日1頁に収まるような形で割り振ったものです(原題:"Go for Gold: Inspiration to Increase Your Leadership Impact"(2008))。

 こうした構成からも窺えるように、本来ならば、26週間かけてじっくり内省を深めながら読むべきなのだろうけれど、これを一気に読んでしまったので、何だか"お腹一杯"であまり頭に残らなかった感じも。

 そもそも、この人の本は、「有名な○○である○○はこう言っている」的な従来型の啓蒙書スタイルの表現が多く、その「有名な○○」というのが、昔の米国大統領だったりするほかは知らない人ばかりで(昔の大統領だって、どんな人だったかはよく知らないのだが)、全てがそうとは言わないが、ぴんとこないと言うかイメージしにくい面も。

 エピソードが豊富であることは認めるけれども(デール・カーネギーなどの系譜か。トラディショナル・タイプの啓啓蒙書)、人によって「合う、合わない」があるかもしれません(嵌る人は嵌るんだろなあ)。こうした本を無碍に否定するわけではありませんし、部分的には、いいこと言っているなと思わせる箇所もありましたが、如何せん、あまり記憶に残らなかった―ということからして、自分自身は本書の、あまり良い読者ではなかったのかも知れません。個人的には同著者の『あなたがリーダーに生まれ変わるとき』('06年/ダイヤモンド社)の方が自分に合っていました。

《読書MEMO》
●目次
第1週  リーダーが孤独を感じるなら、何かが上手くいっていないのだ
第2週  もっともやっかいな部下は、自分自身
第3週  「決断」がリーダーシップを決める
第4週  後ろから蹴飛ばされたら、それだけ前に進むことができる
第5週  情熱の火を絶やさない
第6週  よいリーダーは、よい聞き手である
第7週  得意分野を見つけたらそこにとどまれ
第8週  現状を明らかにすることが、リーダーの第一の仕事
第9週  リーダーの仕事ぶりは、部下を見ればわかる
第10週 適材適所はリーダーの務め
第11週 核心に集中せよ
第12週 最大の過ちは、過ちが何であるかを知ろうとしないこと
第13週 管理すべきは、時間ではなく人生
第14週 リーダーであり続けることは、学び続けること
第15週 試練のときにこそ、リーダーの力が明らかになる
第16週 人は会社を見限るのではない、人を見限るのだ
第17週 経験は必ずしも最良の教師ではない
第18週 よい会議の秘訣は、会議の前にある
第19週 人との結びつきを大切に
第20週 あなたの選択が未来のあなたをつくる
第21週 影響力が、誰かから授けられることはない
第22週 何かを得ることは、何かを失うこと
第23週 旅を始めたものと一緒に旅を終えることは少ない
第24週 部下に望まれないリーダーに明日はない
第25週 質問しなければ、答えは得られない
第26週 未来に残すべきもの

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