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学生にとってほとんど参考にならないのでは。「呑み屋のネタ話」のレベル内容。
『就活のしきたり (PHP新書)』 大沢 仁/石渡 嶺司『就活のバカヤロー』
著者は『最高学府はバカだらけ』('07年/光文社新書)などの著書のある"大学ジャーナリスト"ということで、最近では『就活のバカヤロー』('08年/光文社新書)、『ヤバイ就活!』('09年/PHP研究所)(何れも共著)、『就活のバカタレ!』('10年/PHP研究所)などといった「蹴活」に関する本も書いています。
本書は「蹴活」をする学生に向けて書かれたものであって、学生にとっての良書は、企業の採用担当者にとっても参考になることがあったりしますが、この本は、学生にも企業の採用担当者にも参考にならないように思いました。
各見開きの左側に「ブラックしきたり」と題した「アヤシイ蹴活のウワサ」が書かれていて、そのウソを暴くような体裁がとられていますが、そもそもここに書かれている「奇抜なほうが受かりやすい」、「大声を出せば内定がもらえる」、「マスコミの試験には特殊な訓練が必要」、「アルバイト経験は長いほうがいい」、「一人暮らしの女性は不利」といったようなことを信じて、不安に思っている学生がいるのだろうか。
いわんや企業側をや、であり、採用担当者や面接官で今時こんな偏見を持っている人がいれば、"絶滅危惧種"的存在かも。
「パンチラをしたら内定がもらえる?」や「お酒が好きだと就活に強い?」となると、もう、呑み屋における(「サラリーマン」でなくて「蹴活仲間」が1日の"活動"を終えて集った際の?)ネタ話か、或いはそれにもならないレベルではないかと思ってしまいます。
敢えて星1つとしなかったのは、著者が蹴活の実態をよく知り、一応はまともに答えていると思われる箇所も所々にはあったためで、最初からエンタメ的な効果を意図しての味付けが施されているということなのでしょう。
著者自身、「あくまでも箸休め、一服の清涼剤として読んでいただければ。生まじめな方は読み飛ばしていただいたほうが精神衛生上よろしいかもしれません」と冒頭に書いてはいますが、一応はエスタブリシュメントとされる「新書」に収まっているわけだし...。
尤も「PHP新書」について言えば、元々"玉石混交"が激しいレーベルではありますが、それにしても、ちょっとねえ。