「●人事マネジメント全般」の インデックッスへ Prev|NEXT ⇒ 【1620】 小野 泉/古野 庸一 『「いい会社」とは何か』
行動科学マネジメントによる職場ストレスへの対処法。内容的には浅く、一般啓蒙書レベル。
『たった1つの行動が、職場ストレスをなくしモチベーションを高める -お金ではないトータル・リワードという考え方』(2010/06 東洋経済新報社)
職場ストレスを会社のコストの問題として捉え、ストレスが職場に存在するとき、問題は労働者にあるのではなく、従業員がストレスに対処できるような職場設計をすることが肝要であるとして、マネージャーやリーダーが、或いは従業員自身がとるべき行動を、「行動科学マネジメント」の観点から示唆した本。
外国人との共著ということで、ストレスマネジメントの手法が米国流のプラグマティックな行動科学をベースに解説されていますが、分かりやすいことは分かりやすいものの、内容的にそれほど深くはなく、よくある"洋モノ啓蒙書"みたいな印象を受けました(ハマる人はハマるんだろなあ)。
「たった1つの行動」というのが何を指すのかよく分らないし、サブタイトルにあるトータル・リワードについては2ページぐらいしか触れられておらず(これでは具体性は望めない)、いかにもとってつけたような感じ。
著者には『「続ける」技術』('06年/フォレスト出版)というベストセラーもあり、年に何冊もの啓蒙書を出しているようですが、固定ファンがいるみたいですね。
本書はamazon.comのレビューでの評価も高いようですが、本の刊行と同時に5つ星評価のレビューが続き、何れも過去に数冊しかレビューしていないレビュアーなのに、その数冊の中にも著者の前著のレビューがあって、それも5つ星評価であるとなると、やらせ臭い感じがしないでもない...(まあ、ありがちなやり方だが)。